インタビュー(04)毎回、いろいろな意見のなかから歴史上の「新事実」が発見される、そんなゼミです

研究テーマは織田信長。東島ゼミでは新しい発見ができる

伊藤 怜 さん(日本文化学科2014年3月卒業)

研究テーマは織田信長。信長の魅力は部下や家臣を「実力主義」で見る所です。忠誠心など長年の信頼関係に重きを置く武将が多い時代の中で、とても特殊な人物です。

東島ゼミの皆と
東島ゼミの皆と

「三職推任問題」について研究しました。これは勧修寺晴豊の日記「晴豊公記」の解釈をめぐって見解が分かれている問題(武田家を滅ぼした褒美として、信長が関白・征夷大将軍・太政大臣の「三職」のいずれかに推任された際、任官を申し出たのが信長側だったのか、あるいは朝廷側だったのか、という問題)です。

深いところ、細かいところを探していけば何か新しい発見ができるかもしれないと、やりがいを感じています。


 

東島 誠 教授

大学で学ぶ歴史とはズバリ、いまに残された<史料>をもとに自分で歴史を考え、描き出すトレーニングを行うことです。

たとえばあなたは、織田信長が、体を拭いた同じ手ぬぐいで顔も拭いていた(つまりはオヤジ!だった)なんて信じられますか?
でもそれは、信長と交流のあった宣教師フロイスの2つの<史料>の記述を組み合わせて考えることで、自然と浮かび上がってくる<新事実>なのです。

ゼミにはそんなエキサイティングな瞬間があり、これが学問をする楽しみです。マニアックは大いに結構!ただし、そのテーマに詳しくないメンバーが楽しく参加できるようにするにはどうすればよいか、そんなコミュニケーション・スキルを磨くことも、大事な目標にしています。