インタビュー(01)地元福島への思いに突き動かされ、行政職員の採用試験を受験

地元福島への思いに突き動かされ、行政職員の採用試験を受験

金澤 優里 さん(福島県棚倉町役場 職員/日本文化学科2010年卒業)

東日本大震災のあった3月11日は、アパレルメーカーの販売員として華やかなファッションビルの一角にいました。揺れが収まるとすぐに福島県棚倉町の実家に電話をかけましたが、つながりません。母から無事を知らせるメールが届くまでの数日間はとても心配でした。

幸いなことに内陸部である棚倉町には震災による大きな被害はありませんでした。福島出身者の私にとって辛かったのは原発事故と風評被害です。「福島」が危険な場所の代名詞のようにいわれることがとても悔しく残念でした。さらに県外に避難・転出する方が多いのを知るにつけ、「福島に帰らなければ」という気持ちで居ても立ってもいられなくなりました。 

2次試験のための面接カードを書くとき、聖学院大学のキャリアサポートセンターを訪ねました。卒業してから1年もたっていましたが、とても親身に相談にのってもらえました。卒業しても「面倒見のよい大学」ですね。

10月、福島への思いが通じたのか、まさかの採用通知が届きました。

私は2012年4月から棚倉町の職員として役場に勤めています。現在は住民課の窓口を担当しています。今は目の前の仕事に誠実に取り組むことが、地元のためになると考えています。県内の市町村職員の新人研修で、私と同じ気持ちで地元に戻った多くの若者とも出会うことができました。

聖学院大学で学んだことで、故郷を外から見ることのできる広い視野が身につきました。そのことがこれから福島で生きる私の力になるのではないかと考えています。


 

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