イベント報告レポート:今年で誕生60周年の「ぐりとぐら」をいろいろな言語で読もう!

今年で誕生60周年の「ぐりとぐら」をいろいろな言語で読もう!

2023年6月30日更新

聖学院大学総合図書館が主催する「今年で誕生60周年の『ぐりとぐら』をいろいろな言語で読もう!」と題されたイベントが、6月21日(水)1cafeで開催されました。

地域連携・地域貢献の取り組み

 イベント前半は、上尾市図書館子どもの読書活動支援センターよりお招きした2人の講師が登場し、「ぐりとぐら」シリーズ(文・中川李枝子、絵・山脇(大村)百合子、福音館書店)から、第1作『ぐりとぐら』と第4作『ぐりとぐらのえんそく』を読み聞かせいただきました。読み聞かせのポイントについても紹介され、熱心にメモを取る学生の姿が見られました。また、「読むときにはどのような声の調子がよいか?」という質問もあり、回答もいただきました。
 ★ このイベントを後援した聖学院大学総合研究所 子どものこころと絵本研究会 は、大学内で「えほんサロン」を開いています(現在、開室日調整中)。

多様な言語で同じ物語。音声から感じた表現の違いとは?留学生が母語で読み聞かせも

 後半では、英語、韓国語、フランス語、クメール語など、異なる言語で「ぐりとぐら」が読まれる音声を聞き、言葉の音やリズムの違いを感じ、同じ物語でも言語によって雰囲気が異なることを実感しました。
次に、聖学院大学で学んでいる中国とベトナム出身の留学生7名が登場し、日本語と母国語の違いについて紹介したあと、実際に「ぐりとぐら」の中国語版とベトナム語版を読み聞かせしました。留学生たちは事前に「ぐりとぐら」を読み込んで読み聞かせの練習に励んでおり、本番では流暢な読み聞かせと感情表現で練習の成果を発揮することができました。

絵本を通じて感じた、言語の多様性や異文化交流に参加する大切さ

 今回のイベントでは、絵本を通じて楽しみながら異なる言語や文化に触れる機会となり、言語の多様性や異文化理解の重要性を実感することができました。聖学院大学総合図書館では、本を通じてさまざまな文化に触れるイベントを今後も定期的に開催していく予定です。

 最後に、絵本共有・読みあいの間身体性を研究する、子ども教育学科/総合研究所子どものこころと絵本研究会 寺﨑恵子准教授より、参加者へ「ひとつの絵本作品を通して日本語と外国語の違いを感じたが、言葉の違いの向こうに通じ合えることもあると感じられたのではないか。たとえば、今日ここで留学生に教わった「好吃(ハオチ―):日本語で美味しい」という言葉の響きは日本の子どもたちが(カステラを頬張って)「おいしいー」と言っている声の響きに似ているように聞こえた。「ぐりとぐら」が長く、そして、ほかの言語にも翻訳されて親しまれているのは、世代の違いや言葉の違いにありながら、絵本の絵と読む声に、なにか共通する思いが響き合うおもしろさとうれしさだと思う。」とメッセージが伝えられました。

当日の様子(写真)

どんな絵本が子どもたちを惹きつけるのか、絵本選びの重要性についてもお話しいただきました。
どんな絵本が子どもたちを惹きつけるのか、絵本選びの重要性についてもお話しいただきました。
留学生が日本語を学ぶときに母国語との違いを感じて難しいと思う点を紹介しました。
留学生が日本語を学ぶときに母国語との違いを感じて難しいと思う点を紹介しました。
「ぐりとぐら」に登場する物の名前を中国語とベトナム語で紹介し、参加者と一緒に発音してみました。
「ぐりとぐら」に登場する物の名前を中国語とベトナム語で紹介し、参加者と一緒に発音してみました。
留学生たちが母国語で読み聞かせをしました。
留学生たちが母国語で読み聞かせをしました。
読み聞かせをしてくださった上尾市図書館子どもの読書活動支援センターのスタッフの方々と中国とベトナムの留学生たち。
読み聞かせをしてくださった上尾市図書館子どもの読書活動支援センターのスタッフの方々と中国とベトナムの留学生たち。

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