インタビュー:「英語がよくわからない」から、入学1年8カ月でTOEICスコアが955点に

「高校時代、英文法はもちろん、何より知っている英単語が少なく、授業では教科書の英文の読解も上手くできませんでした。本当に英語が分からなかったと思うのです」・・・・・そう語るのは、聖学院大学人文学部欧米文化学科の平野拓良さん。その彼が2年生の秋現在、TOEICで955点を取る「英語の達人」に成長しているのです。平野さんと指導教員のM.サベット先生に、その躍進の秘訣を聞いてみました。

最下位クラスから始め、半年後にスーパーAクラスへ

■そもそも英語が苦手だった平野さんが英語を学ぶ学科に進学したのは何故ですか?

  • 【平野】英語を理解し話すことのできる人への憧れが強かったことと、漠然とですが、英語ができれば、将来どんな職に就いても役に立つだろうと考えていました。高3の進路相談で、担任の先生から「聖学院大学は英語教育が充実している」と勧めてくださったので、この大学に進学しようと決めました。でも、正直に言うと、これほど、自分の英語能力が向上するとは思っていませんでした。

  • 【サベット】欧米文化学科では、入学時に英語テストを受け、その英語力に応じてクラス分けを行います。でも英語に自信が持てなかった平野さんは、そのテストを受けませんでした。だから彼は、一番下のレベルのクラスに振り分けられてしまったのです。

■そんな平野さんの成長のきっかけは?

  • 【サベット】入学して間もない5月、彼は友人と一緒に私の研究室を訪れ、「文法と会話の練習をしたい」と言いました。それから毎週、私は彼らに、A4、2ページ文法の宿題を与え、次の週、彼らはその宿題の解答を持ってきて、英語を話す練習を10分するということを7月末まで続けました。聖学院は8月から夏季休暇に入りますが、休暇前に私は彼らに2か月分の文法と、ネットで聴けるリスニングの宿題を出しました。

    果たして、夏休み明けの9月下旬、その全宿題を平野さんは完璧にこなしてきたのです(友達は宿題を提出しませんでした)。彼はあまりにも恥ずかしがり屋で、自己評価できないようでしたが、彼と話していて、かなり英語の実力をつけたことに気が付きました。そこで、私は彼に「君の実力なら上位のスーパーAクラスに移動すべきだ」と提案しました。

    彼は一番下のクラスから最上位クラスに移りました。スーパーAクラスの学生は、毎週TEDを聞いてきて、その内容を1ページに要約し、授業ではそのTEDのテーマについて語り合います。その授業が毎週1回ありますが、そのほか、彼は英語を積極的に勉強したい学生たちと一緒に、授業とは別の、私のチュートリアルの授業も週に2回受けていました。昨年12月に彼が受験したTOEICの結果を見たとき、目を疑いました。775点だったのですから。

  • 【平野】サベット先生の指導は、英語学習に非常に効果的なものだと思います。特に、英語の本を読み要約や感想を書くという課題はとても有益でした。この課題をこなすことにより、英文の読解速度がぐんと向上し、実際に英語の単語が、どのような状況で使われるのかなどを学ぶことができたのです。

    以前は、文法が得意ではなかったため、英文を読むときには自分の分かる単語から意味を予想するだけだったので、それが本当に合っているのかどうか分かりませんでした。それが、読んだ内容に段々と自信を持てるようになっていったので、非常にうれしく感じました。

■聖学院大学の英語の授業を受講してみて良いと思ったことは何ですか?

  • 【平野】たくさんありますが、特にすごいと感じたことが2つあります。1つめは、どの先生方の英語の指導も素晴らしいこと。聖学院大学には様々な種類の英語のクラスがありますが、どの担当の先生にも、どんな質問をしても、丁寧で適切な詳しい説明をしてくださいます。

    2つ目は、少人数制。授業は少人数で行われるものが多く、特に英語を勉強するには適した環境だと感じました。先生と学生との距離が近いため、先生は学生の理解の度合いに応じて授業の進行速度を変更してくださり、また学生は分からないところや気になる箇所があった場合には直ぐにその場で先生に聞く事ができるのです。

「英語でできることが増えていく喜び」がモチベーションに

■ここまで上達するためには、毎日コツコツ、しかも相当な時間の勉強が必要でしょうね。

  • 【平野】いえ、それほどではなく、気が向いたときに、気が向いた分だけ勉強しています。勉強をするときは1日3時間位しますが、しない時は1週間しないこともあります。

    ただ英語を勉強する上で工夫している事があります。それはインターネットなどで見つけた実用的な英単語や表現を、授業内で無理やりにでも使う事です。実際に自分で使う事によって非常に記憶に定着しやすいと感じています。

  • 【サベット】でも、平野さんはさまざまな英語の授業を受講しているので、自宅で勉強しなくても、毎日必ず英語を勉強していますね。

    また彼は語彙(ボキャブラリ)を勉強するのが好きです。語彙の学習は大切で、読書、リスニング、スピーキング、ライティングを向上させることができます。スピーキングがうまくなりたくても、語彙や文法を勉強していない場合、上達しません。

    もう一つ重要な点は、英語を使用することです。平野さんは語彙以外にもスピーチやディベート、アカデミック・ライティングなどを勉強しています。「とにかく英語を使う」というのが、とても良いですね。

    聖学院大学では、英語を勉強したいと思う学生を誰でも支援します。学生には、自分のベストを尽くせば自分の夢や目標が達成できることを理解してほしいですね。目標とモチベーションを持ちさえすれば、何でも可能なのですから。平野さんは、2年の秋にはとうとうTOEIC955点を取得しましたね。

  • 【平野】私自身のモチベーションになったのは、勉強するにつれて、段々と英語で出来ることが増えていった事です。例えば、初めて英語のネイティブの先生と話した時に、片言ではあるものの、自分の言ったことがネイティブに通じたことは自信になりました。また「更に英語を勉強して、正確に相手の言っていること理解したり、自分の考える事を表現できたりするようになりたい」と感じました。

    そして、今の目標は、聖学院大学を卒業するまでに、1度は留学や海外研修などに参加をすることです。この大学には独自の海外研修プログラムがあるので、それを有効活用したいですね。実際に英語が話されている国へ行き、自分の勉強してきた英語がどれほど現地で通用するのか確かめ、また現地の文化や生活様式などを直に自分の肌で感じたいと考えています。

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