「児童学科実習報告会」②保育実習編

保育士・幼稚園・小学校教諭を目指す学生が多く在籍する、児童学科のレポートです。
1月20日に行われた、児童学科アセンブリアワー「実習報告会」での学生たちの報告内容をまとめました。

「児童学科実習報告会②」保育実習編

3年生の「保育実習」では、6月に保育所で、秋から冬にかけて居住型施設で、実習を行います。保育所は、はじめての学外実習。どの学生もドキドキしながら出かけていきます。

保育所実習に臨んだ学生は、事前に、保育アルバイトで現場を知ること、手作り教材を用意すること、事前学習に取り組むことなど、準備をたくさんして臨んだのに、「緊張して、先生の目が気になってしまい、自分のやりたいことがわからなくなってしまい」、あんなに楽しみだった実習で「早く終わらないかな」とさえ考えてしまったそうです。

そこで、「このままでよいのか...」と自己を見つめなおし、「自分は何をしたいのか」と問い直したところ、「準備してきたものを発揮したい」という思いに気づき、そうして自問自答を繰り返す中で「日々の子どもの生活に自分が関わっている責任に気づいた」ところから、後半の実習が変化していきました。

「子どもの楽しい気持ちを、自分の言葉かけや援助でもっと楽しく」という自分の言動のねらいをしっかりつかむことができた、安心感に満ちた話でした。


 

居住型施設実習は、多くは実習生も泊まり込みで生活の場での援助を経験します。 児童養護施設での実習では、もちろん、子どもたちの食事の支度も大切な実習です。

限られた時間内で大人数のための食卓をととのえるという貴重な経験ができました。単に料理をするだけでなく、小さい子どもの分は咀嚼しやすさを考えたり、検食・検温を行ったり、社会的養護として子どもたちの生活を支える責任を実感することにもなったそうです。余裕のない場面での子どもたちとの気持ちのやり取りを通して「支援する側になる大変さ」に直面し、「自分の甘さを痛感した」と語る姿はさわやかでした。

「ためし行動が沢山あった」と語られる具体例に会場は静まりましたが、「自分のことを知ってほしいと思っているからこその行動」だと子どもたちの側に立っての温かい説明を聴き、実習生を信頼して実習生に伝えようとしてくれた子どもたちと懸命に応えた実習生のやりとりが思われました。


 

知的障害者施設の成人棟で真摯に取り組み、しっかりと手応えを感じてきた学生もいます。

まず配属棟全員の名前と顔を覚え、実習2日目から名前を呼びかけ、目を合わせながら関わりをもつよう努めたそうです。利用者の感情や欲求は必ず何かのかたちで表出されると分かり、そうしたサインに少しずつ気づけるようになり、気づいたら応えることを積み重ねていくことで少しずつ関係性が築けることを実感したことや、一度覚えた支援は忘れずに継続的に行うことを自分に課したことが話されました。

「焦らず、利用者のペースにあわせる」という言葉には、人に添うことでその人の意思を支えることが経験できた自信が感じられました。


 

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