7/18政経30th記念講演会「現代日本の少年犯罪と子供の貧困の現実 -取材現場から見えてきたもの」(報告)
政治経済学部は創設30周年を記念して、「多様性(ダイバーシティ)に開かれた社会をめざして──いくつもの分断を超えて」という共通テーマを掲げ、「報道の現場から:女性記者に聞く【全4回】」講演会を開催しています。
7月18日開催:山寺 香氏講演【報告レポート】
「現代日本の少年犯罪と子どもの貧困の現実 -取材現場から見えてきたもの」と題して、毎日新聞・さいたま支局記者の山寺 香氏にご講演いただきました。
山寺 香(やまでら・かおる)
毎日新聞さいたま支局記者。1978年山梨県生まれ。2003年毎日新聞社入社。仙台支局、東京本社夕刊編集部、同生活報道部を経て、2014年4月からさいたま支局。事件・裁判担当だった同年12月に取材を開始した川口少年祖父母強盗殺人事件をはじめ、主に犯罪被害者支援や自殺対策、貧困問題について取材・執筆。主著に、上記川口の事件に迫った『誰もボクを見ていない-なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか』(ポプラ社、2017年)がある。
今回の講演では、2014年3月埼玉県川口市のアパートの一室で70代の老夫婦の遺体が発見され、孫の少年(当時17歳)が強盗殺人容疑で逮捕、少年の母(老夫婦の次女)も強盗容疑で逮捕された「川口少年祖父母強盗殺人事件」にフォーカスし、事件に至るまでの経緯や現代社会における問題点などニュースでは報道されることのなかった話を伺うことができました。
2014年に17歳であった少年は、大学4年生とちょうど同年齢。そのこともあり、今回この講演を聞く学生へ向けてメッセージを寄せてくれました。少年からの言葉は学生一人ひとりの心にどう届いたのでしょうか。
講演後の質疑応答では、一般の方や学生たちから多くの質問が寄せられました。
- 居所不明児童など「見えない子どもたち」のデータベースや情報を関係行政機関・自治体等の間で共有するシステムはあるのか
- 被虐待児童の一時保護に関連して、行政はどれくらい家庭内に介入できるのか
- 事件をたどる中で、少年の印象は最初と変わった部分はあるか
- 遺族に対する少年の思いについて
- 現在の日本の刑務所のLGBTへの対応はどのようなものか
今後も公開講演会の企画が続いていきますので、一層、市民の皆さんと学生、大学が相互に学び合うことのできるオープンな知的フォーラムの役割を果たして参りたいと思っております。
次回もぜひご期待ください。
次回講演会のご案内

多様性(ダイバーシティ)に開かれた社会をめざして〜いくつもの分断を超えて
報道の現場から:女性記者に聞く
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10/24(水)講師:松島 佳子氏
(神奈川新聞湘南支局記者) -
11/7(水)講師:望月 衣塑子氏
(東京新聞社会部記者)
※学校法人聖学院はグローバル・コンパクトに署名・加入、SDGsを目指した活動を行っています。
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