報告レポート:東北ボランティアスタディツアー2023年度冬

2024年3月13日更新

2024年2月18日~20日の3日間、「東北ボランティアスタディツアー」を実施しました。今回のツアーは、①東日本大震災で起きたこと、復興の現状についての学び、②石巻市大川小学校での語り部活動、③Team大川-未来を拓くネットワーク-との交流・意見交換、④東北の魅力発見プログラムの4本柱となりました。例年同様、学生有志のプロジェクトリーダーとボランティア活動支援センターの共催で企画・運営を行い、学生16名、教職員8名の他、現地で卒業生1名も合流し貴重な時間を過ごしました。

東日本大震災で起きたこと、復興の現状についての学び

《学び》のプログラムとして、宮城県石巻市にある“みやぎ東日本大震災津波伝承館”、“石巻市震災遺構門脇小学校(以下、門脇小)”、“日和山公園”、“石巻市震災遺構大川小学校(以下、大川小)”に訪問しました。門脇小では、震災当時石巻市で大学教員をされていた方が語り部をしてくださり、日本に住む外国人としての視点としても当時の様子をうかがうことができました。

参加学生の感想

  • 展示・解説を踏まえてから登った日和山公園からの景色はただの風景では終わらず、ここに街がありその街に住んでいた人はこの場所で自分の大切なものが流されていく光景を見ていた、と考えると苦しくなった。また、あの急峻な石段を被災直後にどのようにして避難してきたのか、という点に関して自らの足で登ったことで実感した。
  • 被災地の未来・復興、という観点でツアーに臨んでおりましたが、今回の体験を自分の未来を拓くきっかけにする、それが大川小学校を知り、只野さんの語りを聞いた者としての責任だと思いました。 事前に大川小学校について学んでは行きましたが、やはり現地で現地の方から説明をいただくことで理解が深まりましたし、震災当日の貴重なお話しも聞くことができて、ツアー前後で震災への関心の高まりを感じました。
門脇小学校見学
門脇小学校見学

石巻市震災遺構大川小学校での語り部活動

これまでもツアーで訪れている大川小は、津波で74名の子どもたちと10名の教員が亡くなった場所です。奇跡的に助かった生徒4名のうちの一人である只野哲也さん(Team大川-未来を拓くネットワーク-代表)をはじめとした卒業生たちが校舎保存を訴えたことで2021年より震災遺構として公開されました。

本ツアーの企画・運営を行ったプロジェクトリーダーは、これまでのツアーに参加したことのある有志で集まった学科・学年がバラバラの7名で構成されています。ここ数年関わらせていただいている協働先のTeam大川-未来を拓くネットワーク-(以下、Team大川)から「聖学院の学生にしかできない大川小での語りをしてほしい」という依頼を受け、約3か月間悩みながら取り組んできました。これまで只野さんらの語りを聞いてきたプロジェクトリーダーですが、聞いたことをそのままコピーするのではなく、大川小で聞いたこと、感じたこと、考えたことを自分がどう捉えたのかを伝えることが期待されており、自分自身との対話、そしてそれを人に伝えるために言葉を磨いていきました。当日は、自分の心の言葉をしっかりと紡ぎ、まっすぐに伝える姿に、聞いていた学生、教職員は心を揺さぶられました。

参加学生の感想

  • プロジェクトリーダーが感じたこと、思ったことを大川小学校で起きた惨状等と絡め合わせて話していてみんな語りが上手くて驚いた。特に高寺さんの語りを聞いている時に、はなちゃんと今居る私たちと重ねた瞬間涙が溢れそうになり、改めて命の尊さを重く感じた。

Team大川-未来を拓くネットワーク-との交流・意見交換

地域のコミュニティセンターを会場に、プロジェクトリーダーによるアイスブレイクで交流しました。そしてTeam大川顧問で震災後の子どもの心のケアに取り組んできた佐藤さんによるワークを交えたお話しを聞き、夏にTeam大川主催で実施予定の「おかえりプロジェクト」に向けた意見交換を行いました。

参加学生の感想

  • 楽しいことも難しいこともみんなで共有できたことが本当に良かったなと思います。みんなの意見が自分たちへのフィードバックにも感じられてとてもありがたかったです。
  • 「自分と向き合うためのキーワード」では、教職を履修する自分からすると、傷ついた子供に「何ができるのか」を考えるときに役立つと思いました。Team大川の目指すものを知った私は、「だからこそ」何ができるのかを考える機会なりました。

東北の魅力発見プログラム

松島/塩釜探索グループと石巻市街地グループに分かれ、宮城の豊かな食・自然・人の営みを体験しました。

参加学生の感想

  • 天候に不安はありましたが、それを抜きにしても「自由散策」という面で、私なりの「東北の魅力」を探しました。私はいしのまき元気市場いちば周辺を散策しましたが、海産物の魅力や大島神社では「石巻のルーツ」を知ることができました。
  • 1・2日目には見れなかった海と島々も見れて、癒されました。人間も温かくて、埼玉から来た我々を優しく迎え入れてくれたように感じます。時間の余裕が無く、せかせかしてしまったので、また個人的に遊びに行きたいと思います。
  • 塩釜ではおいしい魚を食べ、市場の中で地域の方と交流させてもらったり市場の方とも交流することができた。

※学校法人聖学院はグローバル・コンパクトに署名・加入、SDGsを目指した活動を行っています。

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