報告レポート:ゼミ合同ディベート大会2022
報告レポート
2023年2月24日更新
2022年1月31日(火)に政治経済学科の西海ゼミ(平和学)と鈴木ゼミ(国際環境法)合同でのディベート大会が行われました。
本大会は昨年に引き続き第2回目の開催となります。
大会はラウンド1とラウンド2の二部構成で、ラウンド1では「日本の法律を改正して、積極的安楽死を、一定の条件のもとで可能にするべきである」という議題が、ラウンド2では「日本の現行の女性専用車両を維持するべきである」という議題が設けられました。
ディベートはそれぞれの議題で肯定チームと否定チームに分かれて行われ、合計4チーム21名が熱く冷静な討論を繰り広げました。
審判役として政治経済学科の3年生と4年生計8名が参加し、各チームの真剣な議論に耳を傾けました。
教育的な狙い
ディベートには討論する側、審判する側それぞれに教育的な狙いもあります。
今回討論を行った2年生については、専門演習を通じて培ってきた「調べる」(調査力)、「聴く」(傾聴力) 「話す」(プレゼン能力) 「考える」(論理的判断能力)を試す場として、
また、特定のテーマについて多角的に検討することで論理的・批判的な思考力(ロジカルシンキング/クリティカルシンキング)を鍛えることを狙いとしました。
審判を行った3、4年生については、他人のディベートを第三者として観察することで、どのような話し方(プレゼンテーション)をすれば相手によく聞いてもらえるのか、どのように議論を展開し、根拠を提示すれば自分の意見に説得力が出るのかなどを客観的に考え、自分自身を省みてもらうことを狙いとしました。また、審判という役割を通じて、議論の展開や要点をしっかりと把握し、各立場の意見に説得力があるかを判断する、という訓練でもありました。
議論の様子
ラウンド1の議題は「日本の法律を改正して、積極的安楽死を、一定の条件のもとで可能にするべきである」。
肯定チームは現状の法制度での安楽死に関する問題点を挙げ、がん患者の自殺率のデータなどを根拠に死期が近いことや肉体的苦痛を感じているなど4つの基準を満たしていれば安楽死を合法にすべきだと主張。
一方の否定チームはそもそも安楽死は生存権の否定に繋がることであり、是認できることではないと主張。モルヒネの使用やセラピーなど様々な緩和策があることを述べて、必要なことは安楽死ではなく苦痛を排除することだと論を展開しました。
第2ラウンドの議題は「日本の現行の女性専用車両を維持するべきである」。
肯定チームは痴漢や盗撮といった事件件数の多さや、その必要性を示したアンケート結果を提示し、女性専用車両は事件がなくならない限り必要であり、それは差別ではなく安心感の提供であると主張。
否定チームはこれに対し、車両が混雑している時には不平等になってしまうことや、女性専用車両で事件が減ったという結果がないことを挙げて、「追い出すべきは痴漢であり、男性ではない。防犯カメラの設置や警備員の配置など別の対策を講じるべきだ。」と論じました。
勝敗の行方は、第1ラウンドが肯定チームの勝利、第2ラウンドも肯定チームの勝利となりました。
鈴木先生は「時間を気にしながら、しっかり反駁をしていて良かった。ただ、「何点主張があります」といったように話し方を工夫するともっと良くなった。」と講評。
西海先生は「相手の反駁に対してテンポよく返していた。即興で臨機応変にこたえていた事も良かった。データを示しながら反駁すれば更に説得力が上がったのではないか。機会があればまたやりたい。」と評して締め括られました。