【学長メッセージ】学生の皆さんへ -秋学期の授業方針について

学生の皆さんへ -秋学期の授業方針について

学長メッセージ

2020年7月29日
聖学院大学 学長 清水正之

 
 春学期もいよいよゴールが見えてきました。ここまでオンラインでの授業を実施してきましたが、すでに予告してきましたとおり、今年度、秋学期の授業をどの様に進めるかについて大学の方針をお伝えします。
 
 後半の秋学期の授業については、原則としてオンライン授業を継続することとして、状況を見極めながら対面授業を取り入れる、という方針で秋学期授業計画を立てていきます。
 
 大学では、春学期については、3月4月の新型コロナウイルス(COVID-19)感染の拡大に伴い、急遽、一部の実習・実技等の科目を除き、オンライン授業を実施してきました。感染の休息期と見えた時期、6月29日より「来学来校の機会」を設けましたが、第1週の4年生を実施した後、第2週の1年生、第3週の3年生、そして第4週の2年生は、再度の感染拡大の影響を受け、延期せざるを得なくなりました。大学に行きたいと考えてくれていた学生の皆さんは残念に思われたことでしょう。「延期」の決断は私自身も大変残念な思いでした。

 その後7月に入ってから首都圏を中心に感染者が急増する中、本学として、どのように秋学期の授業を行うべきかを検討してまいりました。多くの教育機関においても徐々に対面授業等の活動が始まっている中、大学はなぜオンライン授業の継続なのかと納得できない方もおられることでしょう。しかし、授業形態や授業参加の学生数がいわゆる「三密」を作り出す可能性があり、高校生と比べて活動の幅が広く無症状の感染者が多い世代の学生からなる大学については、なおこの新型ウイルスによる感染症に対しては、慎重に向き合うべきと考えています。大学としては、今後とも手洗いやうがいの励行、マスク着用等の必要性、リスク軽減の重要性は今の状況の下でも変わらないとみて、「自粛から自衛へ」という考えを示しております。学内においても、感染予防の対策を各所で行い、検温の奨励、行動記録の奨励を行っています。
 
 こうしたことも踏まえ、秋学期の授業方針を以下の通りとすることといたしました。
 
①秋学期授業期間は2020年9月25日(金)より2021年2月1日(月)までとする。
 
②授業実施方法は、オンライン授業を基本とする。
 
③5週に一度、対面授業週を設け、一部科目のみ対面授業とする。対面授業週では、学生の通学等で、前後のオンライン授業(同時双方向型)への影響が考えられることから、それ以外の科目は「課題学修型」「オンデマンド型」による授業のみとする。
 
 なお、対面授業対象科目、オンライン授業形態等について、詳しくは、学生ポータルサイト「UNIPA」よりお知らせいたしますので、ご覧いただくようお願いいたします。
 
 大学はこの形態が最善のものと考えているわけでは決してありません。対面的関わりの中で授業において教員と学生、あるいは学生同士が切磋琢磨することこそ大学の授業、ゼミあるいはサークル活動のありかたです。状況を見極めながら、学生の皆さんにとってその都度最善と思われる応対をしていきます。該当者が少数のため、9月には春学期卒業生の卒業式、秋学期入学生の入学式をチャペルで執り行うこととしています。他方で、ヴェリタス祭については、開催形態について実行委員の学生と協議を重ねております。いくつかの大学では、サークル活動によって感染が広がる事例もあり、実際に集会を開くなどのサークル活動についてはなお禁止を続けます。リアルな活動・催しと、オンラインでの行事・催しは、状況を見極めての対応を継続するとともに、この条件下でも活発な活動ができることを大学として支援します。
 
 報道やネットでは、極端に分かれた意見が対立しています。通常では、「事実」とその「評価」は別のこととし、峻別するのが客観的な態度であり、大学の教育・研究が目指す方向です。たしかにこの感染症においては、解明されていないことが多く、その峻別も難しい面はあります。その個々の事例・事象についての専門家の意見・評価も異なります。その中で我々専門家でない人間が、正しい判断をできるかは率直にいって難しい面があります。
 
 しかしながら、皆さんには、理性と感情の両面において、中庸と思われる観点をとるように心から願います。「事実」の認定は基本的には理性の範疇ですが、例えばマスクをする意味があるのかも争いの一つです。ウイルスの大きさがマスクの空隙よりも小さいことは事実でしょう。しかしまた飛沫がマスクによって食い止められるのも事実です。あるいは「自粛行為」を不要であったとする専門家がいます。しかし接触の機会を減らす自粛が感染拡大を防ぎ、その解除があらたな感染を拡大したことは目の前の経験的な事実です。どうか、それぞれの論点について一方的な視点からではなく、大学生らしく事実(データ・証拠)を重視するまなざしをもって、この感染症に対して向き合って欲しいと願っています。その上で、心の自衛と身体の自衛に心がけてください。
 
 秋学期も、大学は学生支援を様々なかたちで果たしていきます。UNIPA等を注意して見てください。

 国外にいる留学生にあらためてお伝えします。一部の国と日本との往来を緩和する政策をとることは予告されています。中国・韓国・ベトナム・台湾がその対象に入っています。しかし、日本の感染状況もあり政策決定が遅れています。国外に留まっている留学生はしばらくそのまま留まっていてください。政策の決定の状況によってあらためて大学からも個々の学生への指示を出します。また心配事があれば、留学生センター等へお問い合わせください。
 
 5月からのオンライン授業への対応に続き、この秋学期の授業方針を受けて、ご準備をお願いいたします。どうぞ健康を守りつつ、お過ごしくださいますようお願いいたします。
 
以上

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