作品の豊かな世界を捉え、過去から受け継いだ資料を守り、未来へのこしていく。──日本文化学科・総合図書館共催の公開講座で

今、大河ドラマでも話題の平安時代。この時代の文学作品には、人間の心情や人間関係について深い洞察が見られ、現代でも多くの共感を呼んでいます。
平安文学の研究者である木下綾子准教授は、学問を突き詰めることの面白さや、平安文学の魅力を学内外に伝えています。

今、大河ドラマでも話題の平安時代。この時代の文学作品には、人間の心情や人間関係について深い洞察が見られ、現代でも多くの共感を呼んでいます。
平安文学の研究者である木下綾子准教授は、学問を突き詰めることの面白さや、平安文学の魅力を学内外に伝えています。

日本文化学科 木下 綾子准教授

平安文学を紐解く面白さを、地域社会と次世代を担う学生へ

6月5日(水)、教授会室にて日本文化学科・総合図書館共催の公開講座「紫式部と清少納言~後宮争いと漢詩文~」が開催され、学生や教職員、地域の方々も多く参加しました。
現在放映されている大河ドラマの内容に合わせて、急遽、清少納言や『枕草子』に関する資料を増やすという木下准教授の計らいによって、いっそう聴衆は盛り上がりをみせ、随所で頷く声や感嘆の声が上がりました。

本講座は、清少納言と紫式部はライバルと見なされているが本当にそうだったのか、なぜ紫式部は激烈に清少納言を批判したのか、という問いから始まりました。
これに対し、2人の家柄や政治的立場の違い、漢詩文に対する意識の相違があったこと、そして政治の世界を文学の力で支えた女性であったことを丁寧に解説されました。
 木下准教授が講師を務めた上尾市や桶川市での公開講座に参加され、続きが聞きたいと希望されていらっしゃった地域の方も多く、先生の精力的な活動が本学の地域社会への貢献、意義に結びついています。

また、聖学院大学総合図書館にて、講座と連動した特別展示「紫式部と清少納言」(6月14日まで)が展開され、こちらも好評でした。

PROFILE木下 綾子(きのした あやこ)准教授

聖学院大学人文学部日本文化学科准教授。明治大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。明治大学文学部兼任講師、同研究推進員(法人PD)などを経て2015年4月より現職。和漢比較文学会理事、全国漢文教育学会編集委員。平安文学を読み解き、考える楽しさを伝えるため、小学生向けのくずし字・百人一首講座や、社会人に向けた源氏物語の講座を開く。

 

専門分野

平安文学、日本漢文学、日中比較文学

 

研究テーマ

源氏物語とその注釈書の研究、平安朝漢詩文

参加者の声

・大変おもしろかったです。大河ドラマを視ていたので、それを合わせて楽しめました(学生)。

・友人に誘われ参加しました。久しぶりに「講座」というものを聞き、面白かったです(一般・地域の方)。

・聖学院大学にはアセンブリアワーがあり、学生にとっては履修している授業以外にもこうして学びの場があること、さらにそれが地域の方々や教職員にも開かれていることが、とても意義のあることだと思っています(教職員)。

・紫式部が清少納言を批判していたという話は前にも聞きましたが、育ちを活かして成功したということを強調された講演会は初めてです(一般・地域の方)。

当日の様子 Photo Gallery