報告レポート:人文学部創設30周年記念講演会が行われました

報告レポート

2022/11/26更新

2022年11月3日文化の日に、聖学院大学人文学部創設30周年記念講演会が開催され、『人文学の仕事場から「解釈」の人間学的意味と課題』と題して清水正之学長による講演が行われました。ヴェリタス祭(学園祭)同日開催の中、一般の方、近隣地域の方、学生や卒業生、教職員と、約100名が講演に耳を傾けました。

清水正之 学長
清水正之 学長

「人文学」「人文知」とは?人文学がどのような状況にあるのか、なぜ人文学の危機なのか──人文学をめぐる危機状況と人文学無用論(縮小論)の説明から講演はスタートしました。
清水学長は、「人文学」「人文知」とは、自ら問わない限り問いにならない問題であり、関心こそが問題を形成すると説いています。

あらゆる人が"読まない"時代において、どこでどう関心に出会っていくことができるのか。
「人文学」への閉塞感があるなか、人文学の仕事場から、私たちがこれからどのように人文学を支えていくのか、その道筋を教授いただきました。

当日講演内容(一部抜粋して紹介)

  1. はじめに ─ 人文学をめぐる危機状況と人文学無用論(縮小論)
  2. 講演者の立場から
  3. 人文学 ─ 人文学の「仕事」の現場から
  4. 人文学とは何か 「解釈」という様態について
  5. 人文学の拡がり
     人文学の概念      哲史文+教育学・芸術学・心理学
     人文学と社会科学    「知のつらなり」と拡がり 一批評
     人文学と国際的環境
  6. 人文学の今後
       人文学と超越的価値
       人文知の「つらなり」=聖学院大学・総合研究所の意味

参加者の声(一部抜粋して紹介)

  • 人文学、人文知のお話で、自ら問わない限り、問いにならない問題というのが印象に残りました。貴重なお話ありがとうございました。(一般)
  • 日本文化学科に属する学生として、人文学などの学問に対してどのように向き合っていくべきなのか、その探り方についてのヒントを得られたと思います。(学生)
  • 私は社会福祉系の大学生ですが、現在の学びが具体的に何に生かされるべきなのかを改めて考えさせられました。哲学への関心が、世の中を批判的に直観するための糧になりうるということがよく分かり、今後の学問に向き合う態度を反省するきっかけにもなりました。(学生)
  • 人文学の危機!!学べば楽しい学科だと思いますが。久しぶりに聖学院で勉強できて学生の頃を思い出しました。またこのような素晴らしい機会を是非是非用意していただきたい。ありがとうございました。(卒業生)
  • 理系の人なので所々難しい所はありましたが、今後の社会を考えると、大事なことだと思います。人間のための宗教であり、本質を見失わず、人のために「行動」して「結果」を出す。こうして、平和を目指す姿であると、もっと良いと思います。(一般)
  • 冒頭、人文知は「自ら問わない限り、問いにならない」という説明があり印象的でした。人文知が相対的に低い価値に位置づけられるということは、問いのない世界の広がりを意味しているのかもしれません。問いのない世界はわたしたちをどのような場所につれていくのか...これから考えていきたいと思います。(聖学院職員、卒業生)
  • 国際化、グローバル化の中で、日本の哲学を「日本」に特殊化しないで、世界共通の問題に関連して、日本哲学に言及するという言葉が印象に残りました。(聖学院教員)

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