2015年度春期 聖学院大学サテライト【報告】

2015年4月から7月に開催いたしました、2015年度春期「聖学院大学サテライト講座[第3期]」の報告をいたします。

講座テーマは「地域と教育―私たちはグローバル化とどのように向き合えばいいのか―」

第3期目を迎えた、聖学院大学「サテライト講座」のテーマは、「地域と教育―私たちはグローバル化とどのように向き合えばいいのか―」と題して、学校は何が変わっていくのか、変わ らなければならないのか、それぞれの専門家の方々に語っていただきました。また、講義ではグローバル化の波に直面する学校についてや、平和学や歴史学の観点からも、考察が行われました。

●各回講師

第1回 講師(4月24日):倉部 史記
(進路づくり教育の講師・プランナー/ NPO法人NEWVERYフェロー)

第2回 講師(5月15日):大迫弘和
(リンデンホールスクール中高学部(IB World School)校長・広島女学院大学 客員教授(IB調査研究室長))

第3回 講師(6月16日):葛城崇
(文部科学省初等中等教育局国際教育課英語教育改革プロジェクトマネージャー(楽天株式会社 グローバル人事部副部長)) 
   
第4回 講師(7月10日):小松﨑利明
(聖学院大学政治経済学部助教/国際法、平和研究)

第5回 講師(7月31日):和田光司
(聖学院大学人文学部欧米文化学科教授/フランス史、宗教改革史)

   ※講師詳細、詳しいプログラムはこちら >>>


 


 各回講座内容

第1回(4月24日)初回講座には、多くの高校で「進路」について講演等をされている倉部史記氏をお招きしました。
現在の小学1年生の6割以上が、将来、現在まだ存在しない職業に就くという推計を紹介しながら、30年後の社会や、生き方の羅針盤を子どもたち自身に持ってもらうことの重要性を提示。
大学進学の現状や、多様化した大学の学びなどについても話しながら、子どもたちに対して、何ができるかという問いかけがなされました。
 

第2回(5月15日)は、国際バカロレア(IB)教育の第一人者である大迫弘和氏による講演となりました。
IBは、創造性や個々の学び、そして未知の問題の解決能力などを養う学びであると説明。これまでの日本の暗記型教育とは異なる点も挙げられました。
大迫氏は、IBの学習者像である、挑戦する人、探求する人、バランスの取れた人、などの10項目を挙げ、IBが真のグローバルな人材を目指す教育形態であることを示唆。IBが持つ大きな 可能性を提示しました。
また、IBを活用した大学入試の導入状況なども紹介し、今後の日本におけるIB教育の展開についても言及しました。
 

第3回(6月16日)に講演を行われた葛城崇氏は、英語学習に対する生徒の意識や、中学高校での英語授業・指導体制について言及、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を中心とした学習の重要性を話されました。
また、楽天株式会社で、社内公用語英語化のプロジェクトリーダーとして活躍された経験から、社内での徹底した英語学習から留学、そのプロセスについても語られました。
 

第4回(7月10日)は、平和学をご専門とされる聖学院大学教員 小松﨑利明助教が登場。童話「桃太郎」を例に、桃太郎側と成敗された鬼側の両視点をめぐる問題を出発点として、平和教育、そして被害者と加害者の両視点を捉えることのできる平和を考える思考態度について、語られました。小松﨑先生は、思考力を養い、自分自身が考えたことへの批判精神を持つことが、大学生の教育であるとして、より多角的な物の見かたを身に着け、異なる観点を見つけ出す感性について指摘しました。
 

第5回(7月31日)最終回となった今回は、聖学院大学教員で、フランス史、宗教改革史がご専門の和田光司教授が登壇。
2015年1月にフランスで起こったテロ事件「シャルリー・エブド襲撃事件」から、フランスにおけるイスラム教徒、また国内の移民統合政策、宗教のとらえ方の違いなど、グローバル化が 進む中で発生する問題について、歴史的観点を交えながら、講義が行われました。

講座では、英語教育に関心のある、中高教員の方も多く参加された回もあり、毎回活発な質疑応答が行われました。

 


参加者の声

  • 既存の価値観でアドバイスしがちなので、今後の進路指導やキャリアガイダンスに役立てたい。(第1回参加者 高校・中学教員、40代)
     
  • 良い大学に入っても、どう勝負するのかは本人次第ですよね。人生においても自分自身で道は切り開いていくものだと感じました。(第1回参加者 一般、60代、女性)
     
  • 頭の中で漠然と思っていたことが、今日は実例とともに「やっぱりそうなのだ。」と、自分の考えが倉部先生の言葉とともに固まった感じです。有益なお話しでした。(第1回参加者  高校教員)
     
  • 真理を追求した素晴らしいIBに感激致しました。日本人の取り組みとして、問題点は多いと思いますが、良い教育に向けて頑張って根気よく広げていかれますように。心から応援させて頂きます。(第2回参加者 その他、50代)
     
  • これから進むべき教育(あるいは進めようとしている教育)の方向性がよくみえたと感じました。(第2回参加者 高校教員、50代)
     
  • IB=英語教育という認識を持っており、英語教員と共に参加させて頂きましたが、前提が違っていました。もう少し研究を進めてIB型あるいはIB教育にチャレンジしてみるのも良いと思いました。(第2回参加者 高校教員、40代)
     
  • 次の時代の動きを知れた。暗い話ばかりの日本に明るい光をさしてくれそう。(第2回参加者 一般、50代)

当日の様子

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