AH報告レポート:子ども教育学科名称変更記念講演会「言葉にならない思いを汲むこと~保育士の世界、役者の世界、同じ世界」

卒業生による講演「言葉にならない思いを汲むこと~保育士の世界、役者の世界、同じ世界」

2023年12月4日更新

今年度、子ども教育学科では「言葉にならない思いを汲むこと」を共通テーマとして名称変更*記念講演会を2回にわたって開催しました。
11月15日(水)の第2回は「保育士の世界、役者の世界、同じ世界」というタイトルで、劇団だるま座に所属する俳優であり、聖学院大学児童学科*卒業生の田中公士氏を講師として迎えました。

*2023年4月より児童学科から子ども教育学科へ名称変更

*第1回目講演会レポートもぜひお読みください
AH報告レポート:子ども教育学科名称変更記念講演会「言葉にならない思いを汲むこと~“子どもの心が動く“こと~」

【講演者プロフィール】

田中公士 俳優(劇団だるま座所属)

舞台役者としての活動を中心に、ドラマやCM、ライブ、朗読など、幅広く仕事をしている。
2018年聖学院大学児童学科卒。
在学中は、アカペラ部、放送部を掛け持ちし、イベントの司会なども務めた。
幼稚園教諭免許、保育士資格取得。
*田中公士さんXアカウントはこちら

当日は子ども教育学科の1~4年生や教員が多く参加し、保育士と役者の仕事の共通点に触れながら、子どもの意を汲む力は、言葉をこえて他者と通じ合う力になることを実感する時間となりました。

講演内容(一部抜粋)

保育士と役者の共通点(似ていると思うこと)

  • コミュニケーションをきちんととることができるか
    役者は、一人の「人」になることを任される仕事。お客さまだけでなく、身近な人を同じくらい大切にできないと成り立たない。在学中の実習で、子どもと関わるだけでなく、先輩保育士、保護者とのコミュニケーションの重要性を指導いただいたことと重なる。
  • 挨拶の大切さ
    朝、相手の目を見て「おはようございます」と言うだけで、印象が変わる。
    礼儀の意味でも大切だが、人としっかり関わるためにも大切だと再確認した。
    子どもたちの体調チェックにもなると、在学中に先生方からよく言われていたことを思い出している。
  • 時間を守ること
    保育士も役者も“当日その場に居られること”に重みがある仕事。
  • ずっと勉強、ずっと考える仕事
    その日の仕事が終わったら、それでおしまいではなく、ずっと考え続ける必要があるということも似ている。

学生たちへのアドバイス

田中さんは、「子ども教育学科(旧・児童学科)で学んだことは、役者に限らず、どのような仕事に就いても役立つことがきっとあるでしょう。今(大学で)学んでいることは絶対に無駄にならない。全力で取り組んだら、自分のスキルの引き出しに入るので、ぜひ真剣に勉強していってほしい。今、自分の芯となっているのは大学での学びです。」と学生たちへのエールを送ってくださいました。

最後に、学生からのリクエストに応えて、絵本の朗読をしていただきました。
多彩な声色の変化や読むテンポから緊張感が感じられるなど、絵本の世界にぐっと惹きつけられ、学生たちは目を輝かせていました。
学生からの質問にもたくさん答えていただきました。田中さん、ありがとうございました!

学生の感想(一部紹介)

  • 人間関係、挨拶、時間を守る等は仕事のみならず人として大切な部分だと感じました。また、全く関係のない勉強や経験も人生のどこかでは何か共通点があり、別の形で役に立つこともあるのだと思いました。これからはどんなことも無駄にはならないよう全力で学び、経験しようと思います。
    (子ども教育学科 4年)
  • 時間厳守や挨拶の話など、保育に関連することが多くあることがわかりました。特に、自分の行動を振り返るということは全ての職業で大切なことだと思いました。
    (子ども教育学科 4年)
  • 私は四つ目の共有点である、「家で考えることが必要」というお話が印象に残りました。常に考えることは、自分の行動が変わることだと思いました。今日の行動を分析することで、明日の行動が変わると考えたからです。
    (子ども教育学科 3年)
  • 過ごしてきた時間は無駄にならない、必要な時が必ず来ると学びました。大学生活を送る上でも、日常の中でも今無駄なことをしているなと思ってしまうことがあります。そういった全てのことに意味があると知り、何事でも真面目に自分の最大限の力で取り組んでいきたいと思いました。私は実習へ行って、いつも通りの大切さを知りました。役者である田中さんも舞台の際同じ事をおっしゃっていて大切なんだと分かりました。いつも通りで居ることで与えられる雰囲気があります。自分も安心ができます。いつも通りの私を大切にしていきたいです。
    (子ども教育学科 3年)
  • 在学中に将来について悩み、模索している時は不安やあせりがあったのだろうな...と想像しました。しかし、ご自分の興味ある事から進む道を見つけ頑張っていらっしゃる姿がすばらしいと感じました。「今、学んでいることは、どんな道を選んでも自身のスキルにつながる」というメッセージが印象に残りました。勇気をもらった人もいると思いました。絵本の読み聞かせの声の高さ、ペースがプロだなあと感じました。講演される声や姿も人を引きつけるものでした。
    (子ども教育学科 3年)
  • 講演の中で、今の自分と同じく、やりたいことも決まっておらず自分に何があっているのか分からなかったという話を聞き、もっと学校に頼ってもいいのかなと感じました。在学中にやりたいことが決まらなくてもなんとかなるということも知ることができました。
    (子ども教育学科3年)
  • 舞台の人の裏側を知ることができて面白かった。30秒のCMで2日もかかることを知り、様々な人の努力を感じ、大変な職業であることが分かった。他にも話の中のポイントで、持ち帰って考えることの大切さについて話されていたが、これから私が教師になる上で必要な事であるので活かしていきたいと思った。
    (子ども教育学科 3年)
  • 保育関係の仕事に就いていない人の話を聞けて、保育以外の選択肢もあるのだと知ることができました。だからと言って、保育の勉強が無駄になるわけではなく、他の仕事に何かしらつながることになると知ることができ、これからも保育関係のことをしっかり学んでいきたいと思いました。
    (子ども教育学科 2年)
  • 田中さんの話を聞いて、大学で選択した資格を使って無理に仕事を決めなくても良いのだと感じました。私自身、保育所・幼稚園の現場で働くのに限界を感じていたので、別の分野で働いても大丈夫だと安心しました。全く関係のない仕事でも、似ている能力を必要とすることがあるとおっしゃっており、今の勉強をおろそかにしない方が良いと学びました。
    (子ども教育学科 2年)
田中さんの後輩にあたるアカペラ部の学生と。
田中さんの後輩にあたるアカペラ部の学生と。
子ども教育学科の先生方と。
子ども教育学科の先生方と。

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