政治経済学部公開講演会:「弁護士」という仕事と在日外国人【報告レポート】
2019年度の政治経済学部 公開講演会は「多様性(ダイバーシティ)に開かれた社会をめざして─日本社会の<これから>を考える─」というテーマの下、全3回のシリーズ講演「『弁護士』という仕事」と、SDGs及びダイバーシティを主題とする公開講演会を行います。
7月10日(水)開催:「弁護士」という仕事と在日外国人
長谷川 弥生(はせがわ・やよい)弁護士による講演が行われました。
長谷川弁護士は、とくに離婚・相続・DV等の家族問題、セクシュアルハラスメント問題に取り組んでいらっしゃいます。
講演では、近年精力的に取り組んでいらっしゃる、日本で暮らすフィリピン人移民の問題、日本人男性とフィリピン人女性の間に生まれた子どもを育てるフィリピン人母たちへの支援について、また在日外国人の増加、技能実習生制度の問題点などについて話されました。
JFC(Japanese Filipino Children)問題
- 個別ケース紹介
- 父親の探索
- 認知拒否
- 国籍取得
- 養育費の請求
- 母親の在留資格取得
- 相続
一つひとつのケースの概要や、現地での調査、背景にある経済格差などを説明くださいました。
質疑応答の時間では、
- 本学でも外国人留学生が増加しているが、日本人学生と留学生の交流機会が少ないのではないか。
- 国によって背負っている背景が異なる外国人を受け入れる日本人のメンタリティは、変化してきているか。
言語などコミュニケーションが活発に取れるようになれば、意識も変わってくるのではないか。 - JFCを日本社会に統合してゆくということは、どのようなことなのか。
- 日本の社会や文化に外国人を馴致させること(「同化」)ではなく、それぞれの文化の多様性を尊重しつつ共生社会を築くこと(「統合」)をより意識すべきではないか。
- 国境の問題を、男性や女性などの多様性の問題とも同じこととして考えていくと、より身近に考えることができるのではないか。
など、意見が交わされました。
長谷川弁護士は、講演の最後に「心に引っかかったことをきっかけに追求してみるなど、興味を持って学んでいってほしい」と学生たちへメッセージをくださいました。
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(講演会概要)政治経済学部【公開講演会】2019:シリーズ講演「『弁護士』という仕事」
2018年度の「報道の現場から」に続き、今年度は「『弁護士』という仕事」と題する全3回シリーズ講演を企画、弁護士たちの日々の取り組みを通じて現代日本社会が抱える様々な病理について広く考える機会とします。
- (プレスリリース)「多様性(ダイバーシティ)に開かれた社会をめざして -- 日本社会の<これから>を考える」というテーマの下、「『弁護士』という仕事」を主題とする全3回の公開講演会を実施します
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