平和の祈り 8.15

日程
2014年8月15日(金)
時間
14:00開演(13:30開場)
会場
聖学院大学チャペル

プログラム

祈祷 聖学院大学チャプレン

講話 「ふたつの8.15について―和解への道を閉ざしてはならない」

    聖学院大学 学長 姜尚中

 

参加無料・申込不要

※恐れ入りますが、お車でのご来場はご遠慮ください。

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69年目となる今年の8月15日に「平和の祈り」を開催いたします。

 

開催趣旨

 69回目の「8.15」が巡って来ようとする今、私たちを取り巻く北東アジア地域には、百年前の第一次世界大戦前夜のように、偶発的な衝突が大規模な戦闘へと拡大しかねない、きな臭い空気が漂っています。

 日本の一部メディアやネット、あるいは団体の中に、戦前の帝国陸軍のスローガンであった「暴支膺懲(ぼうしようちょう)」(暴虐な「支那」(中国)を懲らしめる)を彷彿とさせるような言動や、またかつての植民地支配に服した隣国の国民を「劣等民族」のように蔑視、嫌悪する「ヘイトスピーチ」が氾濫しています。

 他方で、中国は、増大する国力にふさわしい威信を求める世論に押されるように、近隣諸国への覇権的な膨張政策を続け、また韓国では歴史問題や領土問題が絡み、日本への強い反感(「反日」)感情が強まりつつあります。

 日・中・韓3カ国は、少なくとも国単位でみる限り、戦後(解放後)、最悪の危機的な局面に立たされていると言えるでしょう。これが、来年に70回目の「8.15」を控えた私たちを取り巻く現実です。日中韓3カ国にASEAN(東南アジア諸国連合)を加えた東アジア共同体という地域主義の未来は、いったいどこに消えてしまったのでしょうか。何と寒々とした、敵愾心に満ちた現実ではないでしょうか。

 この現実の背景にあるのは、日中韓3カ国のそれぞれの国の中に高まりつつあるナショナリズムあるいはナショナリズム擬(もどき)の「愛国心」の広がりです。その急速な猖獗(しょうけつ)から何が見えてくるのでしょうか。そこから見えてくるのは、格差や不平等、失業や雇用不安、社会福祉の収縮や環境の荒廃など、新自由主義的なグローバル市場経済の浸透に伴う社会の流動化と不安定化にほかなりません。

 こうした地滑り的な変化の中で、日本は戦後の「平和主義」の看板を塗り替えるような安保政策の採択へと向かおうとしています。それは、国の形を、国の最高規範である憲法の支柱を取り替えてしまうことになりかねません。「積極的な平和」を実現するために戦闘に加わる。まさしく「戦争が平和」という逆説が現実のものになりかねないのです。

 平和が壊れかかる時、その悲惨はすぐには実感されないかもしれません。

 しかし、やがてそれは確実に「からし種」(マルコによる福音書)のような若者たちに、耐えがたい苦痛を強いることになるでしょう。これが、戦後民主主義の、平和主義のなれの果てであるとすれば、あの「8.15」は何のためにあったのでしょうか。わたしたちは、もう一度、戦後(解放)という時代の本性に、その初発にもどり、69度目の「8.15」に向かい合わなければなりません。そして、敗戦と解放のふたつの「8.15」が歩み寄り、北東アジアに生きる人々が、ともに平和をつくり出していく和解の道を歩んでいかなければなりません。

 以上のような趣旨をこめた「平和の祈り」に多くの方々が参加されることを心より願っています。 

聖学院大学 学長 姜尚中 

 【祈り】

―また言われた、「神の国を何に比べようか。また、どんな譬で言いあらわそうか。それは一粒のからし種のようなものである。地にまかれる時には、地上のどんな種より小さいが、まかれると、成長してどんな野菜よりも大きくなり、大きな枝を張り、その陰に空の鳥が宿るほどになる」(マルコによる福音書 第4章30-32節)―

交通アクセス

JR高崎線「宮原駅」、JR埼京線(川越線)「日進駅」「西大宮駅」にて下車。
宮原駅、西大宮駅からは、スクールバスが運行しています。

     ※お車でのご来場はご遠慮ください。

お問合せ

  • 聖学院大学 キリスト教センター
    埼玉県上尾市戸崎1番1号
    TEL:048-725-5495

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