香港では、主に若者の手によって、日本と比較にならない規模の民主化デモが展開されました。日本の学生がこの事実を理解するには、民主主義を守ることの大切さを知る必要があります。香港の民主化デモは、今の日本の民主主義がカタチばかりになっていることや、人々の政治的無関心を浮き彫りにする鏡かもしれません。

所得格差を正すためには、所得を再分配することが重要な役割を果たします。「日本社会のいま」をつねに考え、「誰もが安心して生活できるための共通の望みは？」「それを満たすためには、誰がどのように負担すべき？」などを、さまざまな視点を持ち寄り、議論することが大事です。

発展し続ける企業に欠かせないのが「イノベーション」。その秘訣は、国籍、ジェンダー、年齢、経験などの面で多様な人々の力を組織に集めることです。今、大学でも、多くの留学生が参加するゼミがあります。多様な視点から刺激的な議論が交わされるなどは、多様性がプラスの価値をもたらす一例です。

うなぎをはじめとする絶滅のおそれがある種は、ワシントン条約の会議で取引の規制対象とするかが議論されています。このように国際的な環境問題は、自由な貿易に制限をかけるなど、他分野と衝突することがあります。環境に関わる諸問題の解決を法的側面から考えるのが国際環境法です。

フェイクニュースやデマ情報、極端な誹謗中傷など、最近はSNSでの問題があとを絶ちません。このようなネット利用のマイナスの面も理解し、持続可能な情報社会を作っていくためには、「情報倫理教育」が必要です。膨大な数の情報に対して、適切な判断ができる力を磨きましょう。

SNSの発言や動画が拡散することで、世界中の人々を新たな認識や行動に駆り立てることがあります。こうした情報の流れ方やその効果から社会を考えるのが「社会情報学」。かつてない膨大な量の情報が飛び交う今、それが弱い立場の人々にはどんな意味を持つのか、考えてみましょう。

例えばミャンマーでは、今もクーデターを起こした軍が反対派市民を弾圧しています。自分たちは、たまたま「弾圧が起きていない場所と時代に生まれた」だけですが、見て見ぬフリでよいのでしょうか？こうした人道危機に対して何ができるのか、まずは世界の仕組みを学んで、考えてみることが大切です。

コロナ禍では対面での交流が難しく、まちづくりにとって深刻な問題です。一方、急速に広がったオンラインコミュニケーションにより、遠方の学生や研究者と連携する取り組みが生まれています。コロナ後も対面が基本であることには変わりませんが、新しい「つながり」方がまちづくりに新たな可能性をひらくかもしれません。