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大学で学ぶということ~”健康”を教育化する仕事~
和田雅史先生

こども心理学科 和田雅史

■東京大学がアメリカのハーバード大学とMIT(マサチューセッツ工科大学)という世界でもトップレベルの大学と連携して、インターネットを通じての近現代史の講義を始めるそうです。インターネットを通じて講義が受けられれば、誰でも、どこにいても最高水準の授業が受講できるようになり、これからの教育のあり方を考えると新しい学びの方法として価値ある改革であると感じられます。このようなニュースを聞くたびに思うことがあります。インターネットが世界中で、簡単に使用できることによって、「学校」という存在がだんだんと薄れていくのではないかと。皆さん方は、小学校から高校までの長きにわたり、学校に通学し、勉強や部活に励み、行事や友人との交流を楽しんできたのではないでしょうか。もちろん時には、辛い思いをして涙した日もあるかと思います。学校のメインストリームは何といっても授業であります。しかしながら、学校で学び活動することによって得られる”知”、学校という一つの社会で育まれる人間的な形成という面も決して忘れてはいけないと思います。

■”教育”という言葉に込められた意味は何だと思いますか?英語では、Educationという言葉だということは中学校の英語の授業で習ったと思います。さらにこのEducationという単語の語源を追求すると、ラテン語のDucereからきているといわれています。Ducereとは”引っ張る”あるいは”伸ばす”という意味合いがあるそうです。つまりは、学校で教育を受けるということは、学ぶ人の知識を伸ばしたり、技術や技能を伸ばしたり、人間性やその人が持つ潜在的な能力を引っ張り出して、さらに上の高見に伸ばしていくことなのです。

■こども心理学科の学びの特色に”からだ”の学習があります。ヒトの身体のしくみ(構造)やはたらき(機能)を学ぶことによって、”こころ”との結びつきを理解することができます。中学校・高等学校を中等教育といいます。人生の中でも丁度、子どもから大人へと成長していく時期だからそう呼ばれているのかと思います。また、この時期は、精神的にも身体的にもすさまじい早さで発育発達がなされると同時に、知識の吸収においても素晴らしいものがあります。だからこそ学校では、この時期にたくさんの教科を学ばなくてはならないのです。こども心理学科では、中学校保健体育科の保健分野、高等学校保健体育の保健科の授業を担当する教員の免許が取得できます。学校という場で、身体の教育を通して子ども達と接し、健康や生命を守り育てる教育に従事してみませんか。その扉に皆さん方を招待したいと思います。

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