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あなたには、大切な友達、仲間がいますか?
- 一生の宝物 -
一生の宝物

 2012年の漢字は「絆」という文字でした。3月の東日本大震災以来、人と人とのつながりの大切さ、家族の大切さが見直されています。皆さんの中にも、家族や友人との関係を改めて大事にしようと思った人もいるのではないでしょうか?

 そんなわけで、「仲間」を題材にした私の好きな映画を一つご紹介したいと思います。映画「スタンド・バイ・ミー」ですが、これは4人の少年たちが、森の奥にあるという事故死体を見るために出かけた小さな冒険旅行の物語です。この4人は性格も育った環境も違うのですが、強い仲間意識で結ばれています。

 この映画の主人公ゴーディの家では、出来のよかった兄の事故死以来、両親がショックから立ち直れず、彼には冷たくあたります。そのような中で彼は、自分が生きている証拠、生きているという実感を求めてこの冒険に出ます。他の仲間たちもそれぞれに家庭の問題があります。クリスは、アル中の父とグレた兄がいる家庭で、将来に不安を感じていますし、テディは、ノルマンジー作戦の英雄だったが今は精神を病んでしまっている父に対して、屈折した想いを抱いています。みんな家庭に自分の居場所がないと感じているわけです。ですから、この冒険旅行は彼らにとって自分の「居場所」を探す旅でもあったのです。

 人は誰でも「居場所」が、そして誰かとつながっていることが必要です。4人の少年は、小さな冒険旅行を通して、お互いの存在の大切さを確認します。特にゴーディは、仲間を通して初めて、自分が生きていてもいいのだということを感じることができました。そんなことを感じさせてくれる出会いは、そう多くはありません。そして、そのような関係は「別れ」がきても、大切なものを残していってくれるのです。

 あなたには、大切な友達、仲間がいますか? 自分が生きていていいのだと感じさせてくれる人がいますか? そして、あなたは誰かの支えになっていますか? もしそのような人がいるのなら、その人との関係を大切にしてください。一生の宝物です。もしまだそのような人と出会っていないなら、今からがチャンスですよ!

(by りこ)

参考)
映画「スタンド・バイ・ミー」(米、1986) リヴァー・フェニックス、ウィル・ウィートン主演

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