心理と福祉の知識を活かして、悩んでいる人を治療につなげたい!

前橋市 公務員 田中 光太郎さん 2011年人間福祉学科(現 心理福祉学科)卒業 在学中に精神保健福祉士合格。社会福祉士も取得

前橋市 公務員 田中 光太郎さん
2011年人間福祉学科(現 心理福祉学科)卒業
在学中に精神保健福祉士合格。社会福祉士も取得

メンタルヘルスの世界をもっと知りたい、
知ってほしいという思い

実は、入学するまで“精神疾患”“精神障害”という言葉を知りませんでした。誰でもなる可能性があるのに、なぜそのこと(言葉又は存在)を知らなかったのだろう?と考えてみたら、小中高と知る機会がなかったことに気付いて。当時、世界でほぼ5人に1人の人が一生のうちにうつ病など何らかの精神疾患にかかるということを知り、私たちの生活にとても身近な問題であることに衝撃を受け、在学中に教育機関で精神の病気の理解を深めてもらう活動をしました。その時に得た先輩たちや研究の場との関わりは今も活きていますし、病気を抱えながらも、その経験を活かして同じ境遇にある仲間(患者さん)を支えるピアサポーターさんたちから、病気からの立ち直りの体験談を聞けたのは貴重な経験でした。また、聖学院大学は全国的にも著名な先生方が多く、たくさんの影響を受けました。特にゼミの先生の「とりあえずやってみる」という言葉は、患者さんやご家族に対しよく使っています。悩んでいる時間が多いと不安は大きくなっていくから、とりあえず動いてみる。常に頭に置いておきたい言葉だと思います。

対応した方の成長にやりがいを感じる

精神保健福祉士と社会福祉士の資格を取り、現在は公務員として地域の方の相談の対応をメインにしています。主に未治療・治療を中断してしまった方を対象に、引きこもりや自殺対策など、内容も年齢もさまざまです。福祉の授業で学んだ面接技法や“この行動はどんな気持ちを反映しているのか”などの心理の知識は、お話を聞く時に役に立っていますし、一般企業でも対人スキルとして活かせるのではないでしょうか。2017年には公認心理師が国家資格になりました。心の専門家として、今後ますます活躍の場は広がっていくと思います。福祉の仕事は成果が見えにくいですが、対応した方が治療につながったり、活動的になったりしたときはやりがいを感じます。全員は難しくても、少なくとも私が関わった方たちはいつか笑顔になってほしい。支える側も元気でいないと、と思うので、自分自身も笑顔でいられるようにしたいですね。