政治経済学科の経営学の授業「中小企業論」は、埼玉県にある中小企業の経営者を講師として招き、日本の全企業数の99.7%を占める中小企業の経営について学ぶ実践型授業です。
経営者たちの体験談や経営哲学を直接聞くことで、学生は経営の現場を肌で感じ、座学で得た理論が実際にどのように活かされているのかを深く理解します。学生にとって地域に根ざした中小企業の魅力や可能性に触れる貴重な機会となっています。
自身の経験をもとに経営の実際を伝える吉田氏
「中小企業論」では、授業ごとに異なる中小企業の経営者が講師として登壇。
取材をした第6回目の授業では、株式会社吉田電工の代表取締役、吉田雄亮氏が講義を行いました。
吉田氏は、自身が経営者として経験してきた試行錯誤や経営理念の再構築、新卒採用への挑戦などを具体的に語りました。
また、社員育成の重要性や経営における人材の役割を強調し、「数字よりもありたい姿を追求する経営」の実践について学生に伝えました。
講義後には、学生たちが「自身の知識や技術でどんな価値を社会に提供できるか」というテーマでディスカッションを行い、学びを深めました。
授業は学生たちが中小企業経営のリアルな側面を直接知る貴重な機会となりました。
経営者と意見を交わしながら振り返りを行いました
学期の中間の回と最後の回で行われる振り返りもこの授業の特徴です。
第8回目の授業では、これまでに登壇した経営者3名を招き、学生たちと「中小企業で働くことの魅力とは何か」というテーマに基づき意見交換を行いました。
この振り返りではグラフィックファシリテーションという手法を用い、学生は自分の考えを付箋に書き出し、模造紙にまとめ、グループごとに発表を行いました。
その過程で、学生たちはこれまでの講義で得た知識を振り返り、経営者とのディスカッションを通じて改めて中小企業の重要性や働く意味を考えました。
経営者たちからは「アウトプットすることで学びが深まる」というアドバイスも送られました。
聖学院大学は埼玉県内の中小企業経営者、約1000人の会員を擁する(一社)埼玉中小企業家同友会と産学連携包括協定を締結しています。この授業は連携の一環として、同友会の協力を得て第一線の経営者を講師にお招きしています。
「中小企業論」の授業では、学生に単なる知識の提供にとどまらず、社会に出る準備としての実践的な学びを提供します。
この授業では、経営者から直接学ぶことで地域社会に貢献する企業の姿を理解し、経営学の理念が現場でどのように活用されるかを体感します。
さらに、自らの将来を見据え、社会に出て働く意義や可能性について主体的に考える機会を提供します。
政治経済学科は、このような授業を通じて学生の実学的な学びを推進し、経営者マインドを育むことで、地域社会や日本経済を支える人材の育成を目指しています。
「中小企業論」は、これからの時代を担う学生にとって、成長の大きなステップとなる授業です。
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