心理福祉学科ではキャリア教育の一環として、学生一人一人が日々の学びや経験に自分なりの持ち味を見出して自らの生き方・仕事観に結んでいくキャリア・デザインの一助となるよう、卒業生の話を聴く機会を日頃より設けています。今回「臨床心理学」ゼミでは、後輩たちがはじめて自分1人で進める卒業研究に戸惑っている時期・・・ということを伝えたら、先輩が励ましにきてくれることになりました!そんな後輩思いの先輩とのひと時をご紹介したいと思います。卒業研究や論文、大学院進学について、研究の進め方・・・ 実際に感じたこと、外に出て初めて気づいたことなど、熱いメッセージを届けてもらう機会となりました。
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長谷川恵美子教授「臨床心理学」ゼミ
臨床心理学(Clinical Psychology)は、ひとのこころのメカニズムやサポート方法を考える学問です。様々な年代の抱えている多様な悩みに耳を傾けながら、これまでの調査研究で実証された心理検査や心理療法を組み合わせ、一緒により良い状態や問題の解決を目指します。このゼミは将来心理の専門職を目指す学生だけでなく、社会福祉士や精神保健福祉士を目指す学生や公務員や一般企業を目指す学生も、みな一緒に「人のこころとからだ」について学ぶとともに、よりよいコミュニケーションスキルを身に着けようと楽しく学んでいます。
10月10日(木)、長谷川恵美子教授「臨床心理学」ゼミにおいて、大学院へ進学した先輩から、後輩たちに向けたメッセージをいただく機会をもちました。
宮澤さんは、聖学院大学心理福祉学部心理福祉学科を卒業し、埼玉工業大学大学院 人間社会研究科 心理学専攻 修士課程に進学。現在は、つらい状況にある時に自分を思いやる能力である「セルフコンパッション」を高める要因を明らかにする研究に取り組んでいます。学部在学中とは異なる視点からアドバイスができそう!とのことでこの企画を立ち上げてくださり、先輩ならではのアドバイスをたくさんいただきました。
長谷川恵美子教授より
今年の夏、卒業研究を応用した研究を学会発表してきたとのこと、その際のポスターを使いながら説明する姿に、ひとまわりもふたまわりも成長を感じ、当時の指導教員としても、とてもうれしい報告となりました。学会で他大学の先生方との交流ができ、研究の楽しさを知ったこと、大学院での研究や臨床の日々の実際、臨床研修での想い出など・・・ キラキラと、そして堂々と語る素敵な先輩の姿に、後輩たちも前に進む意欲が沸いたようでした。
ゼミの時間を過ぎても、みな活発に質問しており、先輩の言葉は学生に届きやすく、教員が語るよりはるかに教育的効果が高いように思います。卒業生が活躍する姿、後輩思いのやさしい先輩の姿に感動を覚えました。
公認心理師を目指し、大学院への進学を視野に入れています。大学院へ進学する友人が少なくイメージが漠然としていましたが、今回の宮澤さんのお話を聞き、卒論も大学院入試に向けた対策においても、「何事も早めの準備が大切」であることを改めて実感しました。ゼミの後も、親身に相談に乗ってくださり非常に参考となりました。長谷川先生のゼミはとてもアットホームなので、人とのつながりを強く感じられる素敵なゼミだと思います。
私は今「人間の食欲について」を研究テーマとし、例えば見ている映像や絵によって食欲に変化があるかどうかなどを調査しています。まだ進路については具体的なイメージが沸いていなかったのですが、今回卒業生のお話を伺い、実際の体験をもとに卒業までの過程や、卒業論文への取り組み方、大学院での研究のことなどとても参考になり、自分の進路と向き合う良い機会になりました。長谷川ゼミでは会話や表現することを大切にしていて、臨床心理学の他にコミュニケーション能力の向上にも力を入れており、このような卒業生の話を伺う機会はとても学びになります。
埼玉工業大学大学院 人間社会研究科 心理学専攻
-2024年3月 聖学院大学心理福祉学部心理福祉学科卒業
公認心理師、臨床心理士の資格取得と社会心理学領域の研究を希望し、2024年4月埼玉工業大学大学院人間社会研究科心理学専攻修士1年に進学。
現在は、つらい状況にある時に自分を思いやる能力である「セルフコンパッション」を高める要因を明らかにする研究に取り組んでいる。
在学中は学内で履修相談のアルバイトをしたり、大学院の先輩たちも参加する心理検査の勉強会に参加する機会に恵まれました。大学というところは自分から希望したり、アンテナを張っていれば、いろんなチャンスに出会える場所です。ただ大学生活は長いようで、あっという間。ゼミに入って2年ちょっとで卒業論文を仕上げる中で、やりたいこと全部はできませんでした。そんな時、長谷川先生と話していて、「やりたいことを今やることができればベストだけど、今のレベルではできそうにない時は、いつかの楽しみにとっておくこと!」というのもやり方のひとつだと気づくことができました。そして今、学部時代にできなかったテーマを修士論文のテーマとして研究を進めています。心理の専門資格をとりながら修士課程を修了するという大学院での生活。臨床の勉強と研究と、忙しくて大変ですが、とても充実していて楽しい毎日を過ごしています。
大学で色々な人に出会い、様々な経験を通して生まれた好奇心や向上心も大事ですが、焦らず、少しづつ土台を固め、着実に実力がついたと自分で感じられたとき、自分の成長を実感できるとともに、やりたいことがすっきり見えてくるんだと思います。後輩の皆さん、大学生時代は、なかなか前に進んでいないように感じ、もどかしいこともあるかもしれませんが、次のステップに向かって、ぜひ挑戦してみてください。応援してます!