報告レポート:「LGBTQ+とジェンダー」について考える、学生たちの動き

ボラセンでつながった学生たちが「ジェンダー勉強会」を開始

2023年4月7日更新

ボランティア活動支援センター(以下ボラセン)では、ボランティア情報だけでなく、地域・社会の課題に関する講座やイベント情報も紹介しています。

2022年4月、「LGBTQ+とジェンダー」に関する情報に関心のある学生たちが、ボラセンを通じて知り合い、週1回集まって「ジェンダー勉強会」を開催するようになりました。

きっかけは、映画「カランコエの花」を観た感想をシェアし、「この映画を多くの人に見てほしい!」「学内で上映したい!」と意気投合したことでした。

映画「カランコエの花」について

国内の映画祭で計13冠を受賞した短編映画。高校生のリアルな心の葛藤を描き、LGBT当事者への向き合い方、社会の在り方について考えさせる作品。

公式サイト https://kalanchoe-no-hana.com/

「ジェンダー勉強会」で話題になったサイト

NPO法人東京レインボープライド ホームページ https://tokyorainbowpride.com/lgbt/

映画「カランコエの花」学内上映実行委員会、立ち上げ

ボラセンとしても、今年度の「視野の広げる教養講座」のテーマとしてLGBTQ+について取り上げたいと考え、「ジェンダー勉強会」のメンバーと共催で「カランコエの花」映画上映&感想シェア会を開催することになりました。

「ジェンダー勉強会」のメンバーがチラシを作成して一緒に運営してくれるスタッフを募り、計9名の学生で上映実行委員会を結成、ボラセンが事務局を担いました。

上映実行委員会では、様々な人が安心して参加できるよう、感想シェア会の参加マナーを作り、グループファシリテーションの練習を重ねました。また、ニックネームを記入し「感想パスができる」机上名札を作るなど、気軽に参加できる工夫を凝らしました。

上映会、成功!参加者と運営した学生たちの感想は…

その甲斐あって、当日は「発言を否定されることなく、世代の違う人の意見も聞けて良かった」など大変好評で、アンケートでは多くの参加者が「今後もLGBTQに関する企画に参加したい」と回答しました。

運営した学生たちにとっても、意見を交わし、上映会を作り上げていく過程が、とても楽しく充実したものだったようです。

概要

日 時:2022年11月23日(水)10:40~12:10 アセンブリーアワー
会 場:4号館4階4402~4403教室
対 象 :聖学院大学全学生
趣 旨:無関心・無理解により無意識に行った行為が、相手にとっては心に傷を負う行為になってしまうことがある。差別のない誰もが過ごしやすい社会への実現に向け、性の多様性やより良い「生き方」「在り方」について考え、話し合える場をつくる。
主 催:「カランコエの花」上映実行委員会、ボランティア活動支援センター
参加者 :学生22名、教職員10名
内 容:映画「カランコエの花」鑑賞(40分)参加者による感想シェア会(50分)

参加者の感想

  • いろんなお話ができて、自分の価値観だけで推し量るようなことなく、すごく良い時間を過ごせました!
  • 映画は一人でも見られるが、意見交換というものはできないので、このような機会があってよかった。
  • 興味がある分野についてお話することができて、とても嬉しかった。また、知識が深まるとともに、視野が広がったと感じた。
  • 自分はLGBTQに関して、少し認識不足なところがあるなと思っていましたが、当事者の目線に立ったことがなかったのだと知ることができました。

学生スタッフから、運営を担当した感想

  • 最初はやってみたい、という憧れから始まり、それを受け止めてくださったボラセンの皆さん、一緒に動いてくれたメンバー、スタッフとして集まってくれたみんな、いろいろな人に本当に感謝です。誰かと一緒ならできるこの喜びは一生忘れません。
  • 最初は、自分自身含めてジェンダーの問題に向かっていくことが怖かったです。でも、皆さんの行動、言動に私自身も救われた面があります。ありがとうございました。
  • 定期的に集まってお話したいなと思えるくらい、居心地が良かったです。このような機会があれば、また絶対参加したいです。

「氏家教授との映画感想シェア会」を実施

「カランコエの花」上映会に参加した氏家教授が 、LGBTQ に関連した映画2 作品を紹介してくださったので、「カランコエの花」上映スタッフ有志で、それぞれ鑑賞しました。

映画に大変感動した学生たちは、後日、氏家教授をお招きして、感想シェア会を開催しました。

概要

日 時:2023 年 2 月 17 日(金)15:30~18:10
会 場:1号館2階1202教室
対 象:「カランコエの花」上映実行委員会(学生スタッフ)
趣 旨:お互いの問題意識を確認したり、ジェンダーに関する勉強のテーマを見つけるきっかけの場をつくる。
主 催:ボランティア活動支援センター、学生グループ「ジェンダー勉強会」
ゲスト:欧米文化学科 氏家理恵教授
参加者:学生7名、職員3名
内 容:LGBTQに関連した映画について、氏家教授から解説や時代背景等を聞いた後、それぞれ鑑賞した感想や意見を交換した。
取り上げた映画:
(1)「セルロイド☆クローゼット」(1995 年のアメリカ合衆国のドキュメンタリー映画)
(2)「パレードへようこそ」(1980 年代英国サッチャー政権下で起きた、炭鉱労働者たちとゲイの若者たちの共闘物語)https://www.youtube.com/watch?v=-HF2mVCELws

参加者の感想

  • すごく有意義な時間になりました。楽しかったです。氏家先生のお話を聞きつつ、皆さんの意見をシェア出来て良かったです。
  • 映画でどのようにLGBTQが取り上げられているのかという、自分では気付く事が出来ない視点で学びを深める事が出来たと思います。
  • LGBTQだけでなく、女性、黒人、障害のある方、高齢の方、様々な人々へ向けた差別観というものも沢山あることを知れました。その差別観を少しでも和らげるために、緩やかにでも少なくなるように、するためにどうしたらいいか考えなくてはと強く感じました。

学生グループ「ジェンダー勉強会」新メンバー募集!

2022年度に発足した「ジェンダー勉強会」が、初の新メンバーを募集することになりました。2023年4月にボラセンが開催する「ボランティア勧誘DAY」にも参加します。今後は外部活動も予定しているそうです。

「ジェンダー勉強会」に関心のある方は、ボランティア活動支援センターまでお問合せください。

今後の活動について、メンバーの声

  • 自分(4年生)が卒業した後も、活動が継続してほしいです。私自身が「大学にこんな場所があるといい」「出会いがほしい」と思ったから。
  • みんながそれぞれ知識をつけたり、氏家先生から紹介された映画等を見てまた意見交換したり、濃い話が出来たら良いなと思います。
  • このメンバーでのこれまでの活動はとても有意義なものですし、これからも大学で LGBT 理解を推進していく団体として活動していけたらと思います。

※学校法人聖学院はグローバル・コンパクトに署名・加入、SDGsを目指した活動を行っています。

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