【報告レポート】東北“オンライン”スタディツアー2022夏

報告レポート

2022年10月5日更新

 2022年9月5日(月)、6日(火)の2日間、東北"オンライン"スタディツアーを開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大以降、現地に出向いてのボランティア活動は叶っていませんでしたが、今夏は企画・運営を担ったプロジェクトリーダー(4名)のみ現地を訪問し、オンライン中継を活用したプログラムを展開しました。学生12名、教職員9名、そして在学中復興支援ボランティアに関わってきたOG・OB3名の、計24名が参加しました。


『Team大川-未来を拓くネットワーク-』只野哲也さんのお話

 東日本大震災で津波に襲われ、74名の児童、10名の教職員が亡くなった石巻市立大川小学校。その校歌には「未来をひらく」というタイトルがつけられています。これまでのスタディツアーで、震災の悲劇の場所としての大川小学校ではなく、「そこから学び、未来をひらく」ための場所、というメッセージがそのタイトルには込められていることを、語り部の只野哲也さんや佐藤敏郎先生に教わりました。
 本プログラムは、東日本大震災の出来事から学び、「私たち自身の未来をひらく」こと、そして只野さんが代表を務める『Team大川-未来を拓くネットワーク-』(以下、Team大川)と一緒に「大川小学校とその周辺地域の未来をひらく」ことの第一歩とすることの2つを目指しました。
 まず、只野さんに大川小学校を案内していただきながら震災前の大川小学校と地域のこと、震災当日に起きたこと、そしてTeam大川の願いを語っていただき、オンラインで生中継しました。画面の向こうの参加者からも都度、質問や感想を募り、その場にいなくても参加できるプログラムを実現できました。
 その後のグループワークでは、それぞれが感じたことや、「自分の未来をひらく」ためにできること、「大川小学校の未来をひらく」ためにできることをシェアしました。後者については、まずプロジェクトリーダーが事前に考えてきた「花を植えて配る活動」「子どもが喜ぶようなイベントの企画」等提案を発表したことで参加者から活発な意見を引き出すことができ、Team大川のみなさんにも前向きなリアクションをいただきました。今後共に「未来をひらく」スタートの時間となったのではないかと思います。

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東北の土地の魅力や人に触れる

 ツアー2日目は「東北の魅力を知り、行きたいと思って欲しい」というプロジェクトリーダーの願いのもと、〈陸組〉と〈島組〉の2組に分かれ、それぞれが現地から生中継等で魅力を伝えるプログラムを行いました。
 まずは、プロジェクトリーダーの幼い頃からのエピソードも交え、東日本大震災時多くの人が津波から避難し命の山と呼ばれた石巻のシンボル、"日和山"の紹介を行いました。その後、"みやぎ東日本大震災津波伝承館"スタッフの方に、インタビュー形式でこれまで歩みや震災当時から感じているボランティアへの想いを語っていただきました。ボランティアの存在が多くの人の心の支えになっていたこと、サポートしてくれたことへの感謝の気持ちを今度は自分たちが困っている人のために動くことで恩送りをしていきたいということなど、丁寧に言葉を紡いでいただきました。
 〈島組〉は、石巻中央港からフェリーで約40分の場所に位置し、猫島とも呼ばれる"田代島"を紹介しました。台風の影響でフェリーが運休となり現地からの中継は残念ながら叶いませんでしたが、様々な人のご協力により、急遽オンラインや動画配信に切り替えるなどして島の休憩所である"島のえき"を運営する方へインタビューを行いました。かわいらしい猫や美しい自然の写真、そして担当した学生の熱意も相まって、田代島の魅力がたっぷりと伝わる時間となりました。
 また、石巻の豊かな海の幸や加工品を売る市場、海鮮丼やアナゴ重などの名物料理を、食レポなども交えながら紹介する場面もありました。オンラインの参加者にも事前に「金華サバの缶詰」と「石巻産ササニシキのパックご飯」を渡し、交流をしながら一緒に味わい、より一層「東北、石巻に行ってみたい」という気持ちを盛り上げる時間となりました。

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参加者・プロジェクトリーダーの感想

参加者の感想

・震災のことを深く知る事ができ、自分自身の学びへと繋がるだけではなく、石巻が元々持っている明るい面や魅力を知ることができた。

・自分が所属しているボランティア団体での活動に活かしたいと思うことがたくさんあった。具体的には、震災を知らない世代の子供たちなどにオンラインでつないで震災の経験談や防災の大切さを伝えていきたい。

・東日本大震災を地震や津波というキーワードだけで終わらせず、今動いてること、現地の人の今の想いに触れることが出来、変わりゆく東日本大震災との向き合い方について考えられました。

・グループワークすることで、自分では思いつかなかった意見を共有することが出来ました。東北に私たちができることは沢山あるのだと皆さんの意見を聞いて思いました。この意見を元に、様々な活動が出来たらいいなと思いました。


 プロジェクトリーダーの感想

・私たちは魅力を伝える、発信するということではあるが、同時に学んでいると思った。下調べをする、情報を得る、実際に生の声をお聞きする、また気づく、発見する、学ぶ、そしてまた知る、どんどん学びが増えていくと感じた。参加者が、のめり込めるようなものを次回も企画していきたい。

※学校法人聖学院はグローバル・コンパクトに署名・加入、SDGsを目指した活動を行っています。

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