【報告レポート】東北“オンライン”スタディツアー2022春

報告レポート

2022年6月23日更新

 2022年5月14日(土)、東北"オンライン"スタディツアーを開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大以降、これまで通りの現地に出向いてのボランティア活動は叶っていませんが、開催場所をオンラインに切り替え、スタディツアーとして学び合いの場作りを続けています。
 今回のツアー参加者は学生14名、教職員9名の計23名。企画を担った7名のプロジェクトリーダー達の「願い」から各プログラムを作っていきました。卒業生や学生と同世代の外部団体の方々からの多大なるご協力もいただき、まさに「学び合い」という言葉にふさわしい時間をご一緒しました。


 「Team大川ー未来を拓くネットワークー×リアス 未来を拓く対談」

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 「Team大川ー未来を拓くネットワークー」は、2022年2月に立ち上がった任意団体です。東日本大震災で津波に襲われ、74名の児童、10名の教職員が亡くなった石巻市立大川小学校は昨夏、震災遺構として一般公開され始めました。
Team大川のメンバーには、大川小の出身者が多く、大川小学校の校舎を保存するのか、撤去するのかという正解のない話し合いの中で、お互いの思いを尊重しつつ、大川小学校で育った自分たちの思いを発信してきました。結果として、現在の校舎保存にも繋がっています。
 「Team大川」は、震災遺構となったこれからの大川小学校や大川地区の在り方を地域の方やこれまで繋がってきた様々な方とネットワークを築きながら、子どもの命を真ん中に据え考えていきたい、という想いを込めて設立されました。一方、「リアス」は聖学院生による東日本大震災の伝聞と防災啓発などを行う有志ボランティアグループです。これまでのTeam大川や東北の皆様との関わり、また学生個人の想いも含め、「東日本大震災で起きたことを知り、災害を自分事としてほしい」という企画メンバーの願いが発端となって企画されたのがこのプログラムになります。
 大川小学校卒業生でTeam大川代表の只野哲也さん、同じく卒業生かつ同級生で副代表の今野憲斗さん、そして被災した子どもたちの学習支援スタッフとして関わりはじめ、大川小のこれまでの道のりを只野さんらと共にしてきた佐藤涼介さんが登壇して下さいました。生まれ育った町のこと、震災前の大川小学校のこと、被災当時と震災後の歩み、そしてこれからのこと・・・と盛沢山なお話しを伺いました。それぞれの視点で語られる震災、そして同級生ならではの対話を通して、震災前、そこには学校があり、子どもたちが遊び、暮らしがあったことが浮かび上がり、災害とはどういうものなのか、深くまで想いを巡らせる時間となりました。


「学生交流企画」

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 「震災という切り口だけでなく、食が豊かな東北の魅力も同時に感じて欲しい」ということで、自由参加の交流会も行いました。参加希望者には東北の逸品「鯨の大和煮」を事前にお渡しし、各自宅にて一緒に味わいました。Team大川・只野さんによる鯨の大和煮レポートや、参加者同士が交流できるようなゲーム、リアスの活動紹介など、参加者とプロジェクトリーダー、Team大川のみなさんがまるく繋がるような交流会でした。


「どれだけ揃う?防災グッズ借り物競争!」

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 災害に備えることは大事だと頭では分かっていても、実際に行動に移すにはハードルがあるのではないでしょうか。「ツアーに参加した人が防災意識を高め、行動するきっかけをつくりたい」という願いから、借り物競争とクイズというゲーム形式で、防災グッズの紹介プログラムを行いました。
 聖学院大学の卒業生で、自らも被災したことをきっかけに学生ボランティア団体を立ち上げた経験のある菅野雄大さんが解説者となり、「防災グッズは災害時に本当に役に立つのか、どのように活用するのか」を伺いながら進行しました。プログラムは終始参加型で進んでいき、各々に思わぬ気づきがあったことにより、次の行動につながるものとなりました。

参加者の感想

  • テレビで見る映像と、目の前で見る景色というものは天と地ほどの差があると感じました。
  • 被災地は悲しい場所なだけではなく、思い出が沢山溜まった場所。なにか自分にできることはないか?と思ったら、東北に限らず、現地に足を運んで一緒に考えることも私たちができることの一つだと、友人や家族にも伝えたいです。
  • 私たちができることの可能性がまだまだあることを知りました。また、現地に行ってみないと分からないことまだ知らないことを自分で調べてみることの大切さや現状について知れて、今までとこれからのことについてすごく考えさせられました。
  • 数ヵ所に分けて置いていた防災グッズを、今回をきっかけに一ヶ所にまとめました。
  • 東日本大震災について知らないことがまだまだ多いことに気づくことができました。
  • この何かできることをしたいという気持ちをそのままにせず、実行に移したいと思いました。

※学校法人聖学院はグローバル・コンパクトに署名・加入、SDGsを目指した活動を行っています。

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