【報告レポート】復興支援ボランティアスタディツアー「サンタプロジェクト4」

復興支援ボランティアチームSAVEメンバーによるレポートをご紹介します。

「サンタプロジェクト4」ツアー報告

こんにちは、聖学院大学復興支援ボランティアチーム〔SAVE〕のプロジェクトリーダーのこども心理学科2年の渡邉です。

ボランティア活動支援センターとSAVE共催のボランティアスタディーツアー「サンタプロジェクト4」で、12月5日(金)~7日(日)にかけて岩手県釜石市に行ってきました。夏に行われた「よいさプロジェクト」と同様に、SAVEのプロジェクトリーダーとボランティア活動支援センターがミーティングを重ねてプロジェクトは作り上げられています。皆が力を合わせ釜石市にいる人々を想いながら毎日奮闘してきました。遅くなりましたが、これからそのご報告をしていきます。
(漁業ボランティアとワインで乾杯!プロジェクトには参加していないので、別の学生が報告します)

釜石で4回目となるこどもクリスマス会の様子
釜石で4回目となるこどもクリスマス会の様子

ツアーでの主な内容は、
・釜石市の見学
・郷土料理づくり
・現地の高校生との対談
・こどもクリスマス会
・ワインで乾杯!プロジェクト
・漁業ボランティア

非常に色の濃い時間を過ごしました。今回の参加者は学生40名、職員10名の計50名となり過去最多の人数です。あの震災から月日は経ちますが聖学院大学では今でも、今だからこそ意識のある学生が沢山います。

  • 事前学習会
    毎回の事前学習では、バス出発前に釜石への意識を高めます。聖学院大学の学生同士でグループディスカッションを行い、それぞれ感じたこと考えたことを話し合いました。また、荒川区の傾聴ボランティアグループ「ダンボの会」の皆さんが来て下さいました。ダンボの会ではニット帽を一つ一つ編んでいて、聖学院大学が代わりに釜石市の方々にお届けしています。この活動は2012年の冬から続いているそうです。
  • 釜石市の見学
    6日の早朝から釜石市を見学。眠たい目を擦りながらも学生たちが一番初めに向かったのは唐丹町にある津波石碑でした。バスの中で1人の男子学生が石碑について、冷静かつ熱意のある紹介をしてくれました。その後に、高台から鵜住居地区防災センター跡地の順で見学しました。NHKでも取り上げられていた釜石市全体が見渡せる高台へ、実際に私たちは歩くことが出来ました。この貴重な体験をどう吸収し、これからに生かすのか。釜石での学びは「自分に何ができるか」を考えるきっかけになります。
ダンボの会の皆さんと
ダンボの会の皆さんと
  • 郷土料理づくり
    「食の匠」をはじめとする料理上手なお母さんたちに郷土料理を教えて頂きました。メニューは古代米ごはんに、ひっつみ汁、味噌だれ団子。4人のお母さん達に手取り足取り教えてもらい、とても美味しい食事を作る事ができました。衣食住という言葉がありますが、食が何より大切で「食べることは生きること」と教わりました。震災当時は、体育館で寒い思いをしながら暮らしていても、何日も服を変えなくても病気にならなかったが、食事だけはきちんと摂らないといけないのだとお話しを聞き、食の大切さを改めて感じる瞬間でした。
  • 現地の高校生との対談
    釜石市に暮らす高校生との交流で、初めての試みでした。計5名の方が来て下さったので、1人の高校生に対して約10人の大学生という形でグループ化をして進めました。この交流会では、震災当時の様子や復興とはどの様な事を指すのか、などと質問をして交流を深めていくものでした。今までのボランティアツアーは、大人の方々の話を聞く事が主でしたが、今回は同世代の話が聞けるということで親しみやすさが有りました。
料理上手なお母さんたちと
料理上手なお母さんたちと
  • こどもクリスマス会
    釜石でのクリスマス会は4回目となりました。毎回こどもたちと遊ぶ会を開催していますが、室内で行うクリスマス会はひと味違った雰囲気があります。その場所にいた皆が全力になって楽しみ、力をいれて一生懸命に演り切ったのがこのクリスマス会です。「釜石のこどもたちが笑ってくれるには?」「何で遊んだら楽しんでもらえるのか?」「サンタさんはいつ登場したら盛り上がるのか」など、細かい所まで考えプログラムを組みました。その内容は、ビンゴ大会や絵本の読み聞かせ、クリスマスソングを歌う、サンタさんとトナカイの登場、お菓子のプレゼントやオーナメント作り、塗り絵など様々なものを取り入れました。結果、25名のこども達が遊びに来て下さり、嬉しい気持ちでいっぱいです。
  • ワインで乾杯!プロジェクト
    今回のサンタプロジェクト4では、「ワインで乾杯!プロジェクト」のお手伝いをできることになりましたー!活動内容としては、約70本のぶどうの木に新聞紙を巻く作業しました!ん?とーっても難しかったです?(笑)でもみんな徐々に上達してきて、極寒の中11名のメンバーでしたが、無事に終わらせることができました*\(^o^)/* このぶどうの木が、実際に商品になるのは5年後...。釜石市での楽しみが、また1つ増えた活動でした(((o(*゚▽゚*)o))) (人間福祉学科3年 福島)
  • 漁業ボランティア
    漁業ボランティアで、私達5名は牡蠣の間引き(ホタテの貝殻に付いているフジツボなどを取り除く作業)をやりましたっ!一見、地味な作業なんですが、やってみるとすごく大変な作業でした。フジツボがしっかりとホタテの貝殻に付いていて、しかも海の側での作業なので、すごく寒く手が悴んでなかなか力が入らず、とるのも一苦労。作業中に、私たちに作業を教えてくれた佐々木さんが、漁師問題や被災直後の状況などの話をしてくれました。話を聞いて思ったのは、漁師問題の解決のために、漁師育成プログラムを作ったり、私達がやった作業+αを2人でやったり、佐々木さんはすごい人だと思いました。貴重な体験でき、貴重な時間だったと思います。(コミュニティ政策学科2年 大川)
漁業ボランティアの様子
漁業ボランティアの様子
  • 振り返りの会
    プロジェクトを進めていく上で、自分の考えを言葉にして伝える作業が多くなってきます。中には、上手く言葉に出来ない・考えがまとまらない人から、思ったことをすぐに言える・言葉にするのが上手い人まで色々な人がいます。しかし、振り返りの場では素直になることが一番だと私は考えています。上手く言葉になっていなくても、伝えようという意思があれば言葉出なくとも伝わります。釜石には、「実際に自分が体験したらどうか」「自分が出来ることはないか」「防災とは何をしたらいいのか」などの様々なテーマについて一緒に考える時間があります。

【今回のツアーを受けて】

釜石に住む人々は特別な力強い精神を持っている訳でなく、ただ「その人のために」や「街のために」想うしなやかさが在ります。地が人々に自然の恵みを与え、そこで生きる人々が釜石という地を惹き立たせるのだと感じました。そんな地で暮らす高校生との対談や、こどもたちを招いたクリスマス会と、相手を想って動くプログラムが多かったのが今回の特徴だと思います。

最後に「サンタプロジェクト4」に携わった全ての人々に感謝の言葉を贈ります。本当にありがとうございました。長くなりましたが、これで報告を終わります。

※このレポートは、「聖学院大学復興支援ボランティアチーム[SAVE]Facebookページに掲載されたレポートを、大学公式サイトにて紹介しております(掲載許可を得ています)。SAVEのFacebookページでは、学生メンバーが活動について情報発信をしておりますので、ぜひご覧ください。

ツアーの様子【写真アルバム】

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