報告レポート：2021年度秋のキリスト教週間《聖学院大学創立記念講演会》《キリスト教と諸学の会》

報告レポート：2021年度秋のキリスト教週間　土方透教授によるシリーズ講演

2021年10月26日更新

聖学院大学では、春と秋にキリスト教週間を設けています。キリスト教についての理解を深め、キリスト教文化に親しんでいただく機会として、全学礼拝をはじめ、講演会、創立記念音楽会、キリスト教と諸学の会等の行事が持たれています。
2021 年度は、本学総合図書館長・政治経済学科教授の土方透先生によるシリーズ講演として、10月13日に《聖学院大学創立記念講演会》、10月20日に《キリスト教と諸学の会》がチャペルにて開催されました。

講師プロフィール

土方　透　ひじかた・とおる
聖学院大学政治経済学部政治経済学科教授、聖学院大学総合図書館館長
中央大学および同大学院にて、法律学および社会学を学ぶ。社会学博士。聖学院大学創立時からの専任教員。ハノーファー哲学研究所、ヴュルツブルク大学、デュッセルドルフ大学客員教授、Soziale Systeme: Zeitschrift für soziologische Theorie学術顧問等を歴任。専門は理論社会学。
【著書・編著書】Das positive Recht als soziales Phänomen, Riskante Strategien: Beiträge zur Soziologie des Risikos、『世界社会の宗教的コミュニケーション』、『法という現象』、『リスク／制御のパラドクス』、『宗教システム／政治システム』、『現代社会におけるポスト合理性の問題』、『ルーマン／来るべき知』ほか、Ｎ．ルーマン、Ｇ．トイプナー等の理論社会学、宗教社会学、法社会学の訳書を公刊。

創立記念日の由来

聖学院が基づくプロテスタント・キリスト教の起源は、1517年10月31日に修道士マルティン・ルターが当時のローマ・カトリック教会の在り方を根本から揺るがすことになる「95ヵ条の提題」をヴィッテンベルクの城教会（ドイツ）に貼り出したことにさかのぼります。これを契機として宗教改革が起こり、それが全ヨーロッパに拡大していきました。そして、その展開の中から、スイスのジュネーヴで宗教改革を行ったジャン・カルヴァンが現れ、またこの流れを汲むカルヴィニズムの影響を受けてイギリスにおけるピューリタン運動が生まれます。その後、その一部がアメリカに渡り、それが今日の日本のプロテスタント・キリスト教の一つの重要な源泉となりました。
プロテスタント大学である聖学院大学は、この歴史を十分認識し、またその伝統を意識的に継承する中から生まれてきた大学です。その理由から、10月31日を大学の創立記念日としています。

聖学院大学創立記念講演会

10月13日（水）聖学院大学チャペルにて、土方透先生による聖学院大学創立記念講演会が行われました。

土方先生は「世界社会の祈りー《聖学院》を身に付ける」という題目で、ご自身の研究テーマと絡めて、キリスト教を基礎とする聖学院大学で祈ることの社会学的な意味を説かれました。

プログラム

前奏
讃美歌　　　　２６７番
聖書朗読　　　　ヨハネによる福音書　８章31～32節
祈祷
講演者紹介
講演　　　「世界社会の祈り－《聖学院》を身につける」
大学の歌　　　　ミレニアム希望の賛歌
後奏

学生や教職員が参加し、先生の熱演に耳を傾けました。

キリスト教と諸学の会

10月20日（水）聖学院大学チャペルにて、土方透先生によるキリスト教と諸学の会が行われました。

「最終章：E la nave va/そして船は行く-ポストモダンからサステイナビリティへ」という題目で講演されました。土方先生が「キリスト教と諸学の会」で講演されるのは4回目ということで、最終章と位置付けられる今回の講演では、社会における「真理」の真理性を問うとして始まり、エピローグ「真理へ」と続く内容を土方先生のご経験を踏まえながら熱心に語られました。