報告レポート:復興支援ボランティアスタディツアー「よいさっ!プロジェクト2」

復興支援ボランティアチームSAVEメンバーによるレポートをご紹介します。

2015年度「よいさっ!プロジェクト2」ツアー報告

みなさんこんにちは!聖学院大学復興支援ボランティアチーム【SAVE】「よいさっ!プロジェクト2」プロジェクトリーダーの児玉です!今回は大学の主催する「よいさっ!プロジェクト2」の報告をさせていただきますっ。

開催日時: 2015年8月6日~9日

プログラム内容

  • 仙台市内被災地見学(宮城県)
  • 釜石市内被災地見学(岩手県)
  • 震災学習列車
  • 同世代グループワーク
  • かまっこ★あそびーらんど
  • 鉄の歴史博物館の見学
  • 「釜石よいさ」への参加
  • 振り返りの会
「釜石よいさ」に参加の学生たち
「釜石よいさ」に参加の学生たち

 昨年夏の「よいさっ!プロジェクト」と同様、埼玉県立常盤高等学校が参加し、今回新たに聖学院中学高等学校も参加しました。そのためプロジェクト会議を聖学院大学のみと全校合同のプロジェクト会議の二つに分け行ってきました。
他学とのプロジェクト会議はいままでになかった試みなので不安と期待が交差した状態でのプロジェクトツアーとなりました。
しかしプロジェクト会議を重ねていくうちに初めにあった緊張や不安は溶けていき、本番ではとても良い関係性でスタディツアーを行うことができました。


仙台市内被災地見学

 日本キリスト教団東北教区被災者支援センター・エマオにご協力いただき住民と荒浜の現状についてのお話をお聞きしました。
現在の荒浜は見渡す限りの平地になっており、新しく作られたものといえば津波の高さを表した観音像、被災で亡くなられた方々の名前と年齢が彫られた慰霊碑だそうです。
見学した場所には荒浜の歴史が記された写真が飾ってある場所があり初めて荒浜へきた私たちにも震災前と震災後の荒浜の違いを深く感じることができました。

 荒浜に続き、仮設住宅へ案内して頂きました。
仮設住宅ではご近所付き合いも良く、協力して生活しているそうです。
荒浜に住んでいる方は地元への愛が強くそれと同じように自分が住んでいた地域で暮らせることを願っています。
この被災地見学を通して被災された方々の復興に対する強い願いがある一方不安が大きいことも知りました。参加者一同思いと考えを深めることができました。


釜石市内被災地見学

 釜石市被災地見学では、三陸ひとつなぎ自然学校代表の伊藤聡さんと釜石市内の高校に通っている寺崎さんの二人のガイドで市内見学を行いました。よいさプロジェクトの事前学習で見た震災当時の映像と同じ場所へ実際に訪れ伊藤さんと寺崎さんから当時の状況を伺いました。
やはり五年という月日が経っているので町や見える景色は変わっていました。復興というのは見える景色の変化のことだけではなく、人々の考えや思いの変化だと思いました。
私たちと年齢の近い寺崎さんの話はとても印象に残りました。
参加者一同大きな学びと貴重な経験をさせていただきました。


震災学習列車

 震災学習列車とは三陸鉄道が企画運営している、三陸鉄道の社員や沿線住民の方に被災の状況を説明して頂き、震災について学ぶプログラムです。
今回は盛駅から出発し釜石市を終点として途中下車したり徐行したりしながら震災当時のお話を聞かせていただきました。
実際に震災の影響や被災した地域の町並みを見ながらのお話は貴重な経験であり、学生達はそれぞれ話を聞きながら各々景色を見ながら考えていたり、メモを取ったりしている様子が非常に多く見受けられました。


同世代グループワーク

 聖学院大学の卒業生であり現在釜石市内の旅館「宝来館」で働いている菊池さんと三陸ひとつなぎ自然学校の久保さんと共に今後の釜石市の魅力や今後のつながりについてグループ分けをして3つのテーマのもと話し合いました。

  1. 1つ目は「コミ森の新たな魅力」
    担当:三陸ひとつなぎ自然学校 久保さん
  2. 2つ目は「学生と釜石が継続的に繋がっていける方法」
    担当:聖学院大学卒業生 菊池さん
  3. 3つ目は「コミ森の盛り上げ方」
    担当:児玉、結城(SAVE)  です。

 コミ森とは宝来館の裏にあり、三陸ひとつなぎ自然学校や菊池さんが協力して地域交流等の活動をしている場所です。
今回のグループワークを通してコミ森について知り、今後の関わり方や学生とコミ森の繋がり方を考えるきっかけとなりました。
スタディツアーのプログラムに今後入れていくことが大きな課題としてあげられました。

かまっこ★あそびーらんど

 釜石を訪れる際にこどもあそびの企画を行っている聖学院大学ですが、今回初めてイオンタウン釜石さんに会場を借りてプログラムを実施しました。また二日 間続けて「あそびーらんど」を行ったのも初めての経験で、いつもと違った環境、雰囲気の中で行うあそびは高揚感を感じました。学生達は会場に合ったあそび の種類を用意し運動が好きなこどもや工作やお絵かきが好きなこどものためのあそびのスペースや、常盤高校の生徒による保護者の方へのハンドマッサージ、茶道部学生によるお抹茶サービスなどを行いました。


 おもに「動く系、作る系、ハンドマッサージ、お勉強コーナー」の4つのブースがある中、好きなあそびがあるブースにこども達が笑顔で参加してくれました。
初めてのイオンタウン釜石での「あそびーらんど」ですが、2日間で約110人という過去最大の人数のこどもたちが遊びに来てくれました。


釜石よいさへの参加

 今年は天候も良く晴天の中で高校生・大学生計55名で釜石よいさに参加しました!
55名が3列になり、踊りました。日頃の練習や前日の練習の成果もあり、よいさ隊長含め笑顔を絶やさず最後まで踊ることができました。
よいさではかまっこあそびーらんどへ参加してくれたこども達との再会もありました。見えない絆のようなものを感じ、とても嬉しい気持ちになりました。
 踊りが終わるとフィナーレにて花火が打ち上げられ、達成感や感動から涙を流す学生も見受けられ、学生達の絆も深まりました。今後も釜石よいさへ関わらせて頂きたいと思いました。

振り返りの会

 振り返りの会ではグループ毎にその日に行ったプログラムの振り返りを行いました。
事前学習会の時から同じグループだったので、メンバーの考えや心境の変化に触れられたことがとても強く印象に残っています。参加の学生からは被災地に興味を持った、被災地にまた来たい、この事を忘れてはいけないと思ったなど、多くの意見がありました。
 

おわりに

 このツアーは多くの方々の支えによって成立している事に改めて気付かされました。仙台や釜石の方々だけではなく、今回では常盤高校、聖学院高校、 聖学院大学の学生、教職員の方々、本当にありがとうございました。こうして毎年ツアーを行える事、企画をできることを本当に感謝しています。
ツ アーを行う中で上手くいかないことや自分が想定していなかったことが起きてしまうと強く当たってしまったり、聞かれたことについて上手く答えられなかった りと様々な至らない点があったかと思います。しかし、そういったひとつひとつの課題点と向き合うことによってより良いツアーができるんだと感じています。

 また継続的に釜石市のみなさんと関わりを持たせていただけていること、「釜石よいさ」へ参加させていただいたことなど感謝の気持ちでいっぱいです。
今後のスタディツアーも「感謝の気持ち」といつもいただいている「笑顔」を忘れずにツアーを行っていきます。
以上、簡単ではありますがこれで「よいさっ!プロジェクト2」の活動報告を終わりとさせていただきます。

こども心理学科2年 児玉 拓哉