【学長メッセージ】2021年度秋学期の始まりと振起日をむかえて

聖学院大学学生・大学院生・保証人の皆様

学長メッセージ

2021年9月9日
聖学院大学 学長 清水正之

 夏の休暇が終わり、2021年度秋学期が始まろうとしています。
新型コロナウイルス感染症の蔓延は、今なお「夜明け」が見通せない状況の中にいます。こうした状況下とはいえ、学生のみなさん、教職員のみなさんには、それぞれに意義ある休暇をお過ごしであったことと存じます。この困難な状況の克服をそれぞれに願い、考え、行動しながら、思いを新たに新学期を共に迎えましょう。

 感染症の蔓延もさることながら、足下の社会の地殻の変動はなお引き続いており、自然の威力にもまた翻弄される出来事が続いています。それらの意味を私たちは真摯に受け止め、正面から見つめつつ、大学で学ぶ者、教育に関わる職務に関わる者としての使命を、与えられた場を通じて果たしていきたいと思います。

 新たな学期で私たちの目指すものは、まずは聖学院大学の教育に理解をもって学んでいる学生のみなさんに、私たちの積み重ねてきた教育上の実績を踏まえ、知的にも感性的にも、さらに深く豊かなものを身に付ける学修機会・活動機会を提供することです。安定しつつ展開力を秘めるカリキュラムの絶えざる改善と分かりやすい制度化もその一つです。折しもこの8月には、7年に一度の大学基準協会認証評価の実地調査を受けました。調査の面接を受けた学生の代表からのご意見も賜りました。調査を通じての指摘を誠実に受け止め、教育体制、運営体制において、良き面はさらに伸ばし、改めるべき点は直ちに改善していきます。

 大学を取り巻く状況の中、聖学院大学が独自性を守りつつ、その特色を遺憾なく発揮するためには、高校まで「生徒」という受動的存在であった学生お一人お一人が、自らの問題意識をもって自覚的に学ぶ「学生」という主体的存在に変化していくことがなによりも重要なこととなります。基礎教育から専門教育へと続くその流れを編成されたカリキュラムを通して、それを実現していく教育を、聖学院大学は目指しています。

 私たちは、地殻変動を起こしている社会のいわば「流行」を無批判に追随するのではなく、良き兆し、良き提言は生かしつつ、他方で流れの中にあっても変わらぬ普遍的な人間性に基盤を置く教育と学問研究の理念を、聖学院大学としての方法で守りたいと考えています。

 その変化、流れの中の良き兆し、例えばこの社会の一員としては、変化の中に確かに育まれつつある、社会的共助や連帯の息吹に将来の希望を託することができるでしょう。

 ボランティア活動、SDGsの理念に沿った良き市民としての在り方を模索しつつ、そうした息吹の社会的定着の一端を大学としても担い、できるだけの手助けをしたいと思います。

 学生のみなさんは、私たち教職員が作り上げてきた「教育の場」にまずはしっかりと根を置いて、授業やゼミ、あるいは学内学外の活動を通して、それぞれが大きな果実を実らせることができるよう、新たな学期の始めにあたって、気持ちを整え新学期を迎えることを心より願っています。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延は、今後も盛衰を繰り返していくでしょう。今の私たちがとれる対応として、ワクチンの接種がひとつの重要な対策であると考えます。それぞれの健康状態、信念を踏まえた上で、各自のご対応をお願いしたいと思います。大学側が用意するPCR検査・抗原検査も、安心・安全な学生生活を築き「夜明け」を待つひとつの手段と私たちは考えています。ご理解をいただきたくお願いします。

 なお秋学期の開講形態、新型コロナウイルス感染症予防対策については、別途公示致します。

 

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