【学長メッセージ】授業再開への見通しについて

聖学院大学学生・大学院生・保証人の皆様

学長メッセージ

2020年6月1日
聖学院大学 学長 清水正之

 この度、首都圏の新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除され、順次社会の諸機能を取り戻していこうとしています。学生の皆様におかれましては、新学期早々、大学のキャパスから切り離された状況のなかで、お一人おひとりがそれぞれの課題や困難に直面しておられる中で、宣言の解除がどのように大学の授業実施に影響があるのか、関心を向けておられることと存じます。

 今後の大学の方針にふれます。具体的な授業その他の展開については、すでにお伝えしたように、6月中旬(17日頃)に春学期後半および秋学期の基本方針を決めることとなっており、結果は直ちにお伝えします。その基本方針に基づき、具体的な措置をお伝えしますが、本日は緊急事態宣言が解除されたことにともない、近々の暫定的措置と方針についてご連絡いたします。

 6月1日(月)から17日(水)までを「キャンパス閉鎖」の全面解除に向けての移行期とし、以下、聖学院大学の当面の開校・授業展開に向けた方針とします。
 

1. 移行期の授業等の実施・展開について

(1)当面、聖学院大学はオンライン授業を続けます。春学期の授業は、例外的措置を除き、オンライン授業で単位認定を行います。そのため、成績評価方法の見直しを行い、学生の皆様の通信環境や学習環境を考慮し、従来の出席管理や試験評価とは異なる評価方法とすべく検討しています。

(2)6月8日(月)から過渡的措置として、図書館、一部の機関(4年生の就職活動を考慮して)キャリア支援課の窓口等、大学側の厳重な対策を施し、また学生の皆様の備え(マスクの着用、手の洗浄、学生同士の接近をさける等)を求めたうえで、利用を許可します。人数制限をしなくてはならない事態がありますが、具体的なことは、改めて掲示等をご覧ください。

(3)6月下旬(例えば6月29日(月)からの週)を予定していますが、そこからの4週間(7月20日(月)からの週まで)にかけて、週ごとに学年を指定して、4週間にわたり、来学来校の機会を作ります。具体的な実施方法については、改めてお伝えします。特に新1年生に対しては、よりきめ細かくその機会を作りたいと考えています。学部学科の掲示等を注意してご覧ください。

(4)「実技科目(体育実技、校内実習等)」や「間近に外部機関での実習を控えた実習科目等」については、オンラインでは完結できない要素を含みますので、7月後半から8月にかけて、別途その一部を分散開講等で、実施する予定です。

以上の様な方針で臨む理由を以下に記します。

① 一人ひとりの感染の可能性、感染の拡大の恐れはなお残ります。他方で、感染拡大が起きた場合は、どのように社会的対応策をとるか、個人が対応するかは、今回の緊急事態宣言からその解除のプロセスを通じて、社会的経験値が蓄積されました。とはいえ、再宣言の可能性は当分残ります。大学は、そのあり方からいわゆる三密をまぬがれがたい環境にあり、状況を見守りながら慎重に見極めることとしたいと考えています。6月下旬からの学年別・学部学科別の分散登校の具体的実施方法は改めてお伝えします。現状は文科省の感染状況の評価ではレベル1にあたりますが、公的な状況をふまえた大学による感染状況評価はUNIPA上でその都度明示します。

② オンライン授業を継続することは、仮に一人の学生を例にとった時、オンラインと対面授業を、同一日に両者を併存して受けることには、通信環境や通学時間から無理が生じます。分散登校の際には他のオンライン授業について別途対処を考えます。

③ オンライン授業には聖学院大学ももちろん、今日本の大学、又世界の大学において求められているICT教育を推進する意味をもっています。ここまで続けてきたオンラインでの授業を、普遍性をもつ成果として我が大学で結実させるために、獲得しつつある成果を、春学期を通じて継続することで、学生・教員共通の財産として確かなものとすることが聖学院大学の教育のより良い未来の姿につながると考えています。

④ 科目の特性上、オンライン授業に適さず、春学期に開講を取りやめざるを得なかった授業があり、オンライン授業を中途で取りやめることは大学の責任としていかがなものか、と考えています。なお、取りやめた科目や延期科目は、これも秋学期に大学の責任として代替開講に努めます。

⑤ 中国、台湾等の留学生が、なお出国できず在住する国でオンライン授業を受けています。そうした学生への配慮も大学として必要であろうと考えています。

⑥ ①でも触れましたが、今後ともクラスターの出現等で、再度感染が拡大する可能性はないわけではありません。そうした状況を考慮しての過渡的方針です。もちろんその恐れが現実となった場合は、6月下旬からの分散登校・通学の予定自体を再検討する必要が出てくることはいうまでもありません。

 以上、ご理解をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。
 なお具体的な日程や方法については、今後とも大学のUNIPAやホームページを注意して見てください。院生の皆様についても研究科・指導教員よりの指示に従ってください。
 

2. 緊急修学支援金の支給および他の支援について

 5月に全在籍生を対象に、「緊急修学支援金」(第1期締め切り分)を支給しました。通信環境については、なお一部不自由な学生がおられますが、まもなく端末、ルーター等の配布が終わります。

 この聖学院大学独自の「緊急修学支援金」の支給にあたっては、大学の特別の積み立てからその費用を支出すると共に、大学後援会、ASF (オール聖学院フェローシップ寄付)から多大なご支援を賜りました。とくに大学後援会におかれましては、今回の事態のなかで格段のご配慮をいただきました。ここに学生と保証人の皆様に感謝をこめて、ご報告申し上げます。

 なお緊急の支援をめぐる国、文科省、学生支援機構、あるいは自治体等の公的な支援策が次々に発表され募集が始まっています。これらの支援策については、学生個人だけでなく、世帯を対象とするものについても、できるだけUNIPAまたはホームページに掲載しております。参照してお役立てください。学生支援課の助言等、力を尽くします。

 学生の皆様の迅速な環境整備や各自の学習の努力によって、ここまでオンラインでの授業を順調に行うことができています。対面授業と変わらない質の学習を引き続き提供できるよう教職員一丸となって実施していきます。お気づきの事は忌憚なくお聞かせください。

 今後とも、この事態に大学は慎重にかつ全力で、難関に対処して参ります。学生・院生・保証人の皆様とともに、力を合わせご一緒に、確かな「希望」を抱きつつ乗り越えていきたいと考えています。

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