【学長メッセージ】新型コロナウイルスによる現状と聖学院大学の対応について - 緊急修学支援金の支給

聖学院大学の学生・大学院生・保証人の皆さま

学長メッセージ

2020年4月30日
聖学院大学 学長 清水正之

 2020年度の4月が終わろうとしています.
 猛威を振るう新型コロナウイルスの蔓延によって、緊急事態宣言が出されました。学生の皆さまの健康と安全、保証人や親しい方々の健康と安全、教職員の健康と安全に配慮し、聖学院大学は8月31日までのキャンパス閉鎖を決め実施しています。この措置は、今後の状況の展開をみて6月下旬に再考します。授業については、5月14日より2020年度春学期の授業を開始することとなりました。こうした状況の中で、聖学院大学ではその授業をオンライン授業という形態をとって行うことはすでにお知らせしたとおりです。

 学生の皆さま、また保証人の皆さまも、一時的に大学から切り離されていることから不安や危惧をお持ちだと思います。今後の授業の形態への準備にあたって、さまざまな困難に直面していることと存じます。聖学院大学では、オンライン授業においても教育の質を落とすことなく、また学生の単位修得が確実にできることを保証する教育の展開を準備しています。授業開講に臨んで、本学ではこのたび学生の皆さまに、緊急の支援を行うことを決定しましたので、連休中ではありますが、ここにお知らせします。
 

1 「緊急修学支援金」の支給 ※5/25更新

 「緊急修学支援金」を全学生・全院生に60,000円支給します。

 オンライン授業を受けるにあたって通信環境の整備、あるいはアルバイトが減少するなかで困難に直面した学生生活を支援することが目的です。


受講準備に対しては、その他以下の様な対応を用意しています。

① 通信環境の整備のためのパソコン、ルーターの貸与(詳細は後日、大学ホームページ、UNIPAをご覧下さい)
② 携帯電話等通信各社の通信料無料化の情報周知(すでにUNIPAでも発信しています)
③ オンライン支援サイトの整備

 この支援の他、学修を継続することに困難を感じている学生に対する支援策を今後とも検討を重ねて参ります。以下にその支援策の概要を記します。

2 学生生活の支援

〔詳細は後日、大学ホームページ、UNIPAをご覧下さい〕
その他の策定中の支援策は以下の通りです。

① 学納金等の納期の延期
② 授業料免除、減免対象者の拡大
③ 家計が困難な学生への公的支援の募集の周知徹底
(在学生への高等教育修学支援制度申込み等)
④ 相談窓口の設置
⑤ その他の措置

等々の施策を準備しています。これまでも聖学院大学は、給付型奨学金制度を設けて困難な状況にある学生への支援を行い、あるいは災害の被災学生への支援など、独自の支援を行ってまいりました。今後とも支援策のすみやかに検討をしてまいります。

3 オンライン授業について

 授業については主としてUNIPAを利用したオンラインでの展開をはかります。

 一概にオンライン授業といいましてもいくつかの種類があります。
1 オンラインでの課題設定と学生による回答,意見発表を行う授業(UNIPA利用など)

2 オンライン上で動画や静止画を使用して学習(UNIPA利用など)
3 オンライン上で同時双方向通信による授業(Teamsを使用する)
4 1,2,3を組み合わせたもの

 4月22日から28日は教職員の「開講準備期間」として設定し、学内でまた在宅で、オンライン授業の展開を準備し、構想する期間としました。試行的な授業の連絡を教員から受けた皆さんも多いことでしょう。大学の授業とは一般的には、対面での授業です。聖学院大学は少人数教育をうたっているように少人数のクラス編成で、丁寧な教育をすることで定評があります。聖学院大学は、オンライン教育の展開でもその質を落さず、聖学院らしい「一人ひとり」と向き合った丁寧な教育を目指します。

 オンライン授業は、対面授業とは異なり教員側の設計が大きな意味をもちます。また他方で、オンライン教育ならではの双方向のやりとりで、これまでの授業以上に学生のみなさんの能動的な関わりを生み出すこともできるでしょう。将来、いずれ皆さまと顔を合わせ、対面で授業に安全に戻ることができた時、対面授業の良さを活かしつつ、オンラインでのツールを使った学びの新たな可能性がひらけるだろうと期待しています。オンライン授業のマニュアル等は、UNIPAで発信していますし、問い合わせ先もメールその他の手段で明記されています。この授業形態の準備は、各自において整えていただくこととなりますが、そのことに困難な状況にある学生には、パソコン、ルーターを貸与する体制を整えつつあります。

4 学生・院生の皆さまへ

新入生へ

 入学式、新入生ガイダンスを、正規の形で開催することができないで入学した2020年新入生の皆さまは、大学に多くの期待を抱いて入学されたその出発点で困難な状況となりました。大学の授業とはどのようなものかということを体験的に知る以前に、授業選択を行わざるを得ないことに大半の新入生は戸惑っていることと推察します。学部学科によってそれぞれに新入生の皆さまに、教員からオンライン等で呼びかけが始まっています。授業の取り方などで、学科の事情や単位修得の仕組みにそっての教員からの助言に従ってください。

在学生へ

 心新たに、この春それぞれに進級し新たな取り組みに向き合うはずでした。その希望や思いをくじけさせるような状況におかれました。アルバイトの減収などで、学業の継続に困難を感じている学生もおられることと思います。大学の支援策、公的支援策を活用し、どうか学びへの意欲を失うことなく授業開始に臨んでいただきたいと思います。また学友会はじめ、諸団体の活動も制限されています。キャンパス立ち入りについては、今しばらく禁止としますが、可能になればあらためて見直すこととしています。新4年生は、就職活動を始める時期にあたりました。キャリア支援課では、ネットによる求職活動に関わる情報の提供等で力になってくれるでしょう。

留学生へ

 留学生のみなさんの中には、なお帰国できない状況の中にある学生もおり、母国でオンライン授業を受講しようとしている学生もいます。留学生は埼玉の地からグローバルキャンパスを目指している聖学院大学の大変重要な仲間です。母国を離れての生活の中、現在アルバイト始め多くの困難を感じているでしょう。従来からの留学生の授業料減免について、さらに多くの方が支援をうけられるように検討をしています。是非日本で学びたいと思って入学された初心を忘れないでいてください。

大学院生へ

 大学院生は、明確な研究の目標をもって入ってこられました。研究の地道な継続を心から願います。研究資料の入手など、是非指導教員の指示指導を仰いで、それに従ってください。

5 授業料・施設費について

 本学は、学納金として「授業料」「施設費」を納めていただいております。「授業料」は授業の受講や単位の認定など大学の役務提供に対する対価であり、授業日数に対しての対価ではなく、一定に期間に必要な費用として大学が定め、学生に負担を求めています。また「施設費」は、ある施設の利用料を指しているものではなく、本学に在籍する学生の皆さんが、より良い学修環境でより良い教育を受けることが可能となるよう、現在さらには将来にわたって教育を展開する施設設備の整備、充実に投入するための費用として徴収されているものです。

 聖学院大学では、現時点で「授業料」「施設費」の返還あるいは減額は考えておりません。皆さまのご理解とご協力をお願いします。皆さんに大きな負担や不安が生じていることを真摯に受け止めているところです。上の2の施策に触れましたように、延納、授業料減免等の制度をご活用いただきたくお願いします。

 今後とも,情勢の変化に対応して、ここでお知らせした事柄に変更がある場合がありますので、大学院大学ホームページやUNIPAの学生宛掲示でご確認をお願いします。

 大学はなによりも、皆さまが新型コロナウイルスに感染されないこと、ご健康と安全が守られることを祈っています。学生にはとくに自らが新たな感染源になることのないように、自重して振る舞われることを願います。皆さまとともに今回の厄災に、正しく向き合い、力をあわせて克服し、より豊かな未来をとりもどすことを心から願っています。

以上

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