【学長メッセージ】2019年度卒業生・修了生の皆様へ

2019年度卒業生・修了生の皆様へ、学長メッセージを動画とテキストで配信します(2020年3月14日付)

学長メッセージ

2019年度 卒業生・修了生の皆様へ【学長メッセージ】

本年は、新型ウイルスの蔓延によって卒業式を執り行うことができませんでしたが、本日卒業する皆さんへ、清水正之学長の動画メッセージを配信いたします。

卒業生・修了生のみなさんへ

2020年3月14日
聖学院大学 学長 清水正之

聖学院大学を本日卒業するみなさん、ご卒業誠におめでとうございます。学びの場を共にしてきた教職員一同、また後輩の在校生と共に心から今日の門出を祝いたく思います。

卒業はみなさんの続けてこられた努力の結果であり、その区切りでもあります。振り返れば、みなさんはそれぞれに希望や抱負を胸にして本学の門をくぐりました。願いを実現した人、実現するための基礎作業を終えたと実感している人、新たな課題に向き合う時がきたと希望に燃えている人、学生生活の成果をそれぞれに受けとめられておられることと思います。そして今みなさんはそれぞれの思いを胸に、新たな人生のステージに歩みだそうとしています。これからのお一人お一人の歩みの中で、聖学院大学で学んだこと、経験したことが糧となり、十二分に活かされ、みなさんの持ち味が発揮されることを心から祈っております。

本年は、新型ウイルスの蔓延によって卒業式を執り行うことができませんでした。共に学んだ学友、教職員とチャペルに集い、学業の完成を共に祝う場を持てなかったことは無念というほかありません。学ぶ、働くという人間の社会的基盤に及ぶ事態が続く中、まずは新たな旅立ちに向かうみなさまの健康が守られますよう。

みなさんが歩み出される日本そして世界は、大きな激動期・変革期を迎えています。技術革新やそれに伴う生活環境の激変もそのひとつですが、他方で、抗しがたい自然災害や社会的事件など、大学で学んでいたみなさんの心を揺るがす出来事が次々に起こりました。人間の無力さをつくづくと知る出来事がありました。しかしそれは社会的環境によるものであれ、自然環境によるものであれ、その問題点を克服し未来に向かうものもまた人間の知恵と協働の力であるということを改めて身にしみて知る機会でもありました。

みなさんは聖学院大学で、お一人お一人の与えられた賜物を活かすとともに、良き隣人として行動することを学びました。みなさんが大学で学び身につけた知識と知恵によって、それぞれの未来だけでなく、他者と共に生きる場を意味あるものとするよう、誇りを持って、切り開いていかれることを心より願っています。

人の生には成功もあり失敗もあります。そうした外形的な軌跡と共に、他方で人の生は内面的な完成への道程でもあります。どうかこれからの歩みの中で、一時の成功に酔うことなく、一時の失意に心砕かれることなく、人間としての成長、霊的な充実を目指していっていただきたいと思います。

「だから、わたしたちは落胆しません。たとえわたしたちの「外なる人」は衰えていくとしても、わたしたちの「内なる人」は日々新たにされていきます。わたしたちの一時の軽い艱難は、比べものにならないほど重みのある永遠の栄光をもたらしてくれます。わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」(コリントの信徒への手紙 二 4章16-18節)

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