造形教育論ゼミの活動報告:角川武蔵野ミュージアムにおけるゼミ活動について

2022年1月22日より角川武蔵野ミュージアムで開催されている企画展『コロナ禍とアマビエ 6人の現代アーティストが「今」を考える』での鴻池朋子さんの展示に、聖学院大学人文学部児童学科の造形教育論ゼミが、展示協力しました。

造形教育論ゼミの活動

2022/3/12更新

◆地域の美術館・博物館との連携をもとに、地域の文化資源を生かした授業の創出、また子どもの鑑賞活動の在り方を研究

造形教育論ゼミ(柴﨑 裕 特任教授)は、小学校教諭を目指す学生が多く所属しています。
小学校図画工作科教育を専門とする柴﨑特任教授より、実践を通しての教科観・児童観をもとにした教科経営・授業運営の全般について学んでいます。

学生たちは「対話型ギャラリートーク」(作品の歴史的な背景や作者の意図などの情報を伝えるのではなく、作品から受けたことだけをもとに対話し見方を深める)の手法を学んでおり、実際に様々な美術館を訪れ、現代アーティスト作品の対話型鑑賞を実践する学外ゼミを積極的に行っています。

この活動を通して、美術館の教育普及プログラムの企画や美術館と学校を結ぶ教育活用方法や参加型の鑑賞プログラムの実践方法について考察し、子どもたちの鑑賞活動をファシリテートする教師の姿を研究しています。

2021年度の学外ゼミでは、角川武蔵野ミュージアムを訪れ、現代アーティストの鴻池朋子さんの作品を対象として対話型鑑賞を実践したところ、展示協力の機会を得ることとなりました。
 

角川武蔵野ミュージアム外観/《武蔵野皮トンビ》鴻池朋子氏 2021年
© 2021 Tomoko Konoike Courtesy of Kadokawa Culture Museum
 

展示協力について

◆作品《武蔵野皮トンビ》鴻池朋子氏 2021年

「武蔵野皮トンビ」は、角川武蔵野ミュージアムの岩山のような壁面に設置された作品です。安全で守られた美術館の中での展示ではなく、紫外線や雨風にさらされる環境で、1年以上もの間、トンビはタフに歳をとりながらミュージアムに棲みつき、多くの来館者に見守られてきました。(作品についての詳細は、ミュージアム特設ページをご覧ください)

この度ゼミが展示協力した企画展では、【作品は作家のもの、という物語や見方を断ち切る】というテーマのもと、ミュージアム館長(松岡正剛氏)やミュージアムの建築家(隈研吾氏)、施工を担った建設会社や近隣の方々とともに、造形教育論ゼミの教員・学生たちの【鑑賞者と作品をつなぐ言葉】が展示されています。

児童学科で子どもの世界を理解すること、そして言葉を大切にしながら言葉をこえて他者と通じ合うことを学ぶ学生たちが、ゼミでの活動を通してどのような言葉で作品と鑑賞者をつないでいるか、ぜひ企画展を訪れ鑑賞してください。

コロナ禍とアマビエ 6人の現代アーティストが「今」を考える

  • 出品作家:会田誠 鴻池朋子 川島秀明 大岩オスカール 荒神明香 大小島真木 
  • 会期:2022年01月22日(土)− 05月08日(日)
  • 会場:角川武蔵野ミュージアム  4階  エディットアンドアートギャラリー
  • HP https://kadcul.com/event/65

企画展『コロナ禍とアマビエ 6人の現代アーティストが「今」を考える』での鴻池朋子さんの展示
 

子どもの世界を理解し子どもの意を汲んで関わる力を養う~学科の学び

子どもの世界を理解し個性を育てる能力をつける
---2023年4月より、児童学科は「子ども教育学科」に名称変更予定

現代社会において、子ども一人一人を育む関わりには高度な専門性が求められます。同学科では、子どもの言葉、表現、心理などを理解することを学びの第一歩とし、子どもの世界を理解し子どもの意を汲んで関わる力を養います。また、保育・教育職を希望する学生のためには、専従スタッフがいる教職支援センター・実習準備室があり、授業の他にも、資格・免許状取得から採用試験対策まで支援します。子どもの意思を汲む力は、言葉を大切にしながら言葉をこえて他者と通じ合う力も育み、どのような職種のどのような企業にも通用します。卒業後の進路は、多様な職種に広がっています。

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