インタビュー(01)まちに「仲間たち」の居場所を作りたい。そんな思いで地域貢献に取り組む

まちに「仲間たち」の居場所を作りたい。そんな思いで地域貢献に取り組んでいます。

鈴木 雄亮 さん(2011年3月卒業/勤務先:特定非営利活動法人 みやはら福祉会 大空 職員)

聖学院大学の最寄り駅のひとつ、宮原。その西口ロータリーで毎年10月に「さいたまKI-TAまつり」が開催されます。グルメコンテストやステージショーなどが人気で、来場者は数千人。主催のさいたま北商工協同組合をはじめ、地域の子どもたちや福祉団体、聖学院大学の学生ボランティアなどが一体となってイベントを盛り上げています。

KI-TAまつりにはじめて関わったのは大学3年次のとき。当時ヴェリタス祭(学園祭)の実行委員長だった私は、学生ボランティア約30人を統括する立場でKI-TAまつりの運営に携わりました。その打ち上げの席で「今度うちにボランティアに来てみない?」と声をかけてくれたのが、今私が勤めている福祉団体の施設長だったのです。

鈴木さんが関わっている「さいたまKI-TAまつり」では、50人以上の本学学生ボランティアが参加しています。写真は福祉体験コーナーの様子。
鈴木さんが関わっている「さいたまKI-TAまつり」では、50人以上の本学学生ボランティアが参加しています。写真は福祉体験コーナーの様子。

知的障害者を支援する施設「ひびき」へ入職

人間福祉学科に入学したものの、率直に言うと3年次になっても福祉に関心が持てずにいました。就職は一般企業を希望していましたし、福祉施設などでのボランティア経験もなし。施設長の誘いに「一度くらい現場を見るのもいいかもしれない」そんな軽い気持ちでうなずきました。

知的障害者を支援する施設「ひびき」は、宮原の駅のすぐ近くにあります。入ってまず感じたのは「障害のある人って、こんなに大勢いるんだ」ということ。なぜ普段、街で見かけることがないのだろうと、そのことを考えざるを得ませんでした。

もうひとつ印象的だったことがあります。どうしても手づかみで食事をしてしまう利用者さん(ひびきでは「仲間」といいます)の隣でカレーを食べていたとき、ふとした拍子にカレーまみれの手で顔をつかまれてしまいました。

どうしたらいいかわからなかった私は、されるがまま。そのときある職員に「障害を持っている人にも、ダメなことはダメと言わなければいけない」と言われたのです。「障害をもっているから」ではなく、「障害をもっていても」という考え方にハッとしました。

この日の経験は、「卒業したらここで働かないか」といってくれた施設長に「お願いします」と即答するほどの衝撃でした。この人たちと一緒に生きていくためになにができるかを考えたい、と思ったのです。

 

さいたま北商工協同組合の会員として地域貢献

ひびきの正職員になると同時に、今度はさいたま北商工協同組合の会員として「KI-TAまつり」に関わることに。さらに皆さんに推され、社会人1年目にして実行委員長になりました。自信はありませんでしたが、「雄亮がやるならいくらでもサポートするから」と言われて決断したのです。

実行委員長はイベントの「顔」です。人前で話すことにプレッシャーはありましたし、皆さんの期待通りの働きができたかどうかはわかりません。むしろ私の方が経験豊富な組合の方たちにもり立てられ、育ててもらいました。

私にとって地域貢献の最大のモチベーションは、まちに仲間たちの居場所をつくること。私自身が地域に溶け込むことで、本当はできることがたくさんある仲間たちへの理解が深まり、ひいては社会参加や就労につながればと願っています。

KI-TAまつりのエンディング。最高潮の盛り上がりの中で、実行委員長としてステージに立ったときのことが忘れられません。見えたのは、お年寄りや子ども、そして仲間たちの楽しそうな顔。胸がいっぱいになりました。