報告レポート:復興支援ボランティアスタディツアー「よいさっ!プロジェクト3」

復興支援ボランティアチームSAVEメンバーによるレポートをご紹介します。

2016年度「よいさっ!プロジェクト3」ツアー報告

こんにちは!聖学院大学復興支援ボランティア活動チーム[SAVE]所属、「よいさっ!プロジェクト3」プロジェクトリーダーの由木です。

今回は夏休みに行った「よいさっ!プロジェクト3」の活動報告をさせていただきます!

開催日時: 2016年8月5日(金)〜8日(月)

プログラム内容

  • 釜石市内被災地見学(岩手県)
  • 仙寿院住職さんのお話
  • 震災学習列車
  • 橋野高炉見学
  • いわて国体「花いっぱい運動」
  • 「釜石よいさ」への参加
  • かまっこあ☆そびーらんど
  • 夏休み学び発見プロジェクト
  • 振り返りの会
  • 唐桑半島トレッキング(宮城県気仙沼市)
  • 一般社団法人まるオフィス代表加藤拓馬さんのお話
「釜石よいさ」に参加の学生たち
「釜石よいさ」に参加の学生たち

 今回も埼玉県立常盤高等学校と聖学院高等学校との合同企画となりました。そのためプロジェクト会議を聖学院大学のみと3校合同のプロジェクト会議の2つに分けて行ってきました。その結果、3校合同だからこそ生まれた企画もあり、このメンバーならではのプロジェクトとなりました。


釜石市内被災地見学

 一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校代表の伊藤聡さんと地元岩手県釜石市の高校に通っている寺崎幸季さんの2人のガイドで釜石港を臨む高台の見学を行いました。その高台は事前学習会で見た当時の映像と同じ場所で、実際に被災しその高台への避難を経験した寺崎さんから当時の状況を伺いました。また伊藤さんからは市内全体の様子についてお話いただきました。


仙寿院住職さんのお話

当時避難所となっていた仙寿院というお寺の住職さんにお話を伺いました。また、津波の犠牲になられた方の遺骨の前で祈りの時を持たせていただき、学生一人一人が震災と向き合う機会となりました。ご自身も心に深い傷を負いながら、私たちにお話ししてくださる重みを考えなければならないと感じました。
 

震災学習列車

 三陸鉄道南リアス線に乗り、三陸鉄道の社員さんに被災の状況を説明して頂きました。盛駅から出発し釜石駅を終点として途中下車したり徐行したりしながら震災当時のお話を聞かせていただきました。実際に、震災の影響や被災した地域の町並みを見ながらのお話を聞くことにより、当時の様子がよりリアルに感じられました。
 

橋野高炉跡見学

釜石の魅力に触れるという目的で、昨年世界遺産に登録された橋野高炉跡を見学しました。ガイドの三浦さんのお話はとても面白く、1時間があっという間に過ぎていきました。鉄づくりの工程や歴史などを知ることができて興味深かったです。
 

いわて国体「花いっぱい運動」

 釜石は2016年秋に開催されるいわて国体の開催場所(トライアスロン、ラグビーフットボール、水泳)となっています。聖学院大学では、この国体が決まったときに、「選手ら来場者を花を植えて迎えたい」という釜石の方々の声を応援する形で当時の先輩たちが募金活動を行ってきました。今回、私たちがその募金を使わせていただき、釜石をお花でいっぱいにして選手たちを迎えようという企画に参加させていただきました。この国体をきっかけに釜石がさらに盛り上っていくことを願っています。


釜石よいさへの参加

 今回のツアーのメインである「釜石よいさ」に踊り手として参加しました。今年も「釜石の人たちを笑顔に!」をモットーに元気いっぱいで踊りました。沿道の釜石の方々にあたたかい応援をいただき、私たちも笑顔いっぱい、感動的な時間を過ごさせていただきました。

かまっこ★あそびーらんど

 震災から5年が経ちましたが、釜石ではまだ子どもたちが思いっきり遊べる場所が少ないという課題があります。そこで聖学院大学では、釜石を訪れるたびに「あそびーらんど」を開催しています。今回は、スタンプラリーの形式で飛行機フライト、わなげ、魚釣り、おえかき、お魚スタンプのブースを用意しました。全部のブースをまわって、「い・わ・て・こ・く・た・い」の文字を集めた子どもたちには手作りのメダルをプレゼントしました。また、会場の半分を使い、動く遊びコーナーも同時に行いました。多くの子どもたちが来場してくださり、笑顔がたくさんの企画となりました。同会場で行った常盤高校のハンドマッサージやお茶っこ企画も大盛況でした。


夏休み学び発見プロジェクト

遊び場所が少ないという課題と同時に、仮設住宅で生活している子どもたちが落ち着いた環境で勉強できないということも課題とされています。そこで、今回新たな試みとして、小学生を対象に、一緒に夏休みの宿題をやる企画を行いました。初企画なので、不安がいっぱいでしたが、大学生・高校生のおにいさん、おねえさんと真剣に学習に取り組む姿や活動中の子どもたちの楽しそうな姿を見ることができて嬉しかったです。1日企画だったので、「英語であそぼう」や常盤高校の「ナース体験」などの企画を通じて参加してくれたこどもたち一人ひとりと深く関わることができたのではないかと思います。


振り返りの会

 3日目夕方、岩手県釜石市から宮城県気仙沼市唐桑町に移動し、夜、宿舎にてグループになって今回の活動について振り返りを行いました。感じたこと・考えたことを共有して、みんながどういう想いで今回のプログラムを行ってきたのかを知ることができました。「命について」の問いかけには、みんな難しいと悩みながらも自分なりに考えを見つけようと考えました。震災で失われた命の重み、これから自分たちが被災地のために何が出るのかを見つめなおす時間となりました。
 

唐桑トレッキング

現地のガイドさんの案内で、唐桑半島のトレッキングを行いました。震災が原因で海からあがってきた津波石を実際に見ることができました。4日目という日程で体力的にも疲れが見えていましたが、綺麗な景色を見たりマイナスイオンを浴びて元気になりました。
 

一般社団法人まるオフィス代表加藤拓馬さんのお話

 一般社団法人まるオフィス代表の加藤拓馬さんのお話を伺いました。加藤さんは私たちと同じで大学生のときにボランティア活動を行っていて、その後唐桑に移り住み、他の地域に住む大学生と唐桑をつなぐ団体を立ち上げたそうです。加藤さんのお話は、現在ボランティア活動を行っている私たちにとって、とても興味深く、刺激をもらうことができました。今回ツアーに参加した人の中から、卒業後も加藤さんのように現地での活動を続ける人が生まれたら素敵だと思いました。
 

おわりに

 今回のツアーは多くの人の力を借りて、実現することができました。プロジェクトリーダーの仲間はもちろん、大学の支援や常盤高校、聖学院高校、ボランティア活動支援センター、そして何より現地の方々の助けがあるからこそ活動を続けていけるのだと改めて感じました。私自身、初めてプロジェクトリーダーを経験し、不安や焦りが大きかったので、無事にツアーを終えることができて本当によかったです。このツアーに関わってくださったみなさんにとても感謝しています。長くなりましたが、これで活動報告を終わらせていただきます。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!

 

こども心理学科3年 由木加奈子