オープンキャンパス模擬授業レポート:「オリンピックを機に体力向上」~がんばれニッポン!

こども心理学科・齊藤理砂子先生の模擬授業レポートをご紹介します(2016/8/23オープンキャンパス)。

模擬授業レポート

齊藤 理砂子 先生
齊藤 理砂子 先生

「オリンピックを機に体力向上」~がんばれニッポン!

 リオ五輪の閉会式が行われた8月22日(月)、聖学院大学ではオープンキャンパスが予定されていましたが、台風の影響で中止。翌日にスライドして開催され、こども心理学科では小児保健学、学校保健、ヘルスプロモーションがご専門で元養護教諭の齊藤理砂子准教授による模擬授業が行われました。
 テーマは「オリンピックを機に体力向上」。盛り上がったリオ五輪の熱気が残る中、2020年の東京オリンピックに向けた、子どもたちの体力向上とスポーツ選手の能力アップの関わりについてレクチャーが行われました。


体力低下は「サンマの減少」から

 前回(1964年)の東京オリンピックは国民の健康意識を高めました。それ以降行われて来た体力テスト・運動テストの統計によると、子どもの体力は著しく向上しました。しかし、1985年頃を境に数値の低下が見られます。

 その原因は何か? 要因は様々ですが、まず「サンマの減少」。サンマとは遊び時間・空間・仲間という3つの「間」を指します。TVゲームの普及や学習塾通いなどにより外で遊ぶ時間が減り、空き地は無くなり、仲間と一緒に過ごすリアルな機会もスマホやラインに奪われました。

 他にも偏った食事・睡眠不足など「生活の悪化」、熱中症・大気汚染などによる「環境医学的問題」、授業の見直し・危険防止など「学校生活の変化」、ネット通販など生活が便利になるにつれ歩かなくなる「身体活動量の低下」などが、子どもの体力を低下させています。

2020年東京五輪に向け、再び高まる体力向上の機運

 次回の東京オリンピックを迎えるにあたり、体力向上の運気は再び高まっています。体力水準の回復に向けた文部科学省の指針は次のようになっています。

①子どものスポーツ機会の充実。
②トップアスリートを支えるマルチサポート。スポーツ科学、医学、生理学、マネジメント、情報戦略など多角的な取り組みです。「プレッシャーに打ち勝つ」といった心理学からのサポートも重要です。
③トップアスリートの育成・強化活動の充実。効果的なトレーニング方法の開発や競技用具の開発、スポーツ障害に対する医学的サポートなどです。

今のトップアスリート支援が未来のトップアスリートを生む好循環

 そして、④地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクト。現在のトップアスリートを支援し、専門分野で輝いている選手が地域や学校で子どもたちのスポーツ活動を支援する。良い影響を受けた子どもたちの気持ちが高まり、体力向上や健康増進につながる。子どもたちの能力が上がり、数年後には次のトップアスリートが排出される。そのトップアスリートを支援し・・・・・という循環型のプロジェクトが動き始めました。
 これからの子どもたちの体力向上と活躍が楽しみですね。がんばれニッポン!
 

受講した高校生の感想

 「大学に入ったら友達をたくさん作りたい」と言う男子高校生は、「最初は心理と子どもの体力がなぜ関係しているのか不思議でしたが、健康面を含め様々な視点から子どもを捉えることが大切だということが判り、面白かったです。もっと勉強したい」と語ってくれました。


そのほか、埼玉新聞掲載「経世済民」でも、こども心理学科教員の記事が読めます

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