第18回 ピア・スーパービジョン【報告】

9月24日に行われたピア・スーパービジョンの報告レポートです。ピア・スーパービジョンは保健・社会福祉現場や一般企業で対人援助を行っている人たちの「語り合い・振り返り・支え合いの場」、情報交換を行うための研修と交流のプログラムです。

報告レポート

 9月24日(土)当日は23名の参加者を迎えて行われました。午前中は、人間福祉学科の古谷野亘先生による講演と、講演を受けて古谷野先生と人間福祉学科の卒業生有志による鼎談(ていだん)が実施されました。

 「高齢者が日常生活において交流している他者との関係:その分類と把握」と題して行われた講演では、古谷野先生のご専門である社会老年学の立場から、高齢者を巡る社会環境の変化とその周囲の人間関係に関する最新の研究成果をもとに行われました。

個々人のライフ・スタイルや家族関係の変遷とともに高齢者を取り巻く社会や人間関係も大きく変化してきていること。そのことによって近年、導入された介護保険や権利擁護事業といった福祉関連の制度のサービスや家族のサポート体制にも大きな影響を与えている点などが話されました。参加者の多くが福祉の現場や研究、教育の場に従事していることもあり、日頃の現場での業務やそれぞれのケースに照らし合わせて、考えることができたようです。

講演「高齢者が日常生活において交流している他者との関係:その分類と把握」(古谷野亘 先生)
講演「高齢者が日常生活において交流している他者との関係:その分類と把握」(古谷野亘 先生)

 ランチ交流会を挟み、午後はグループごとに分かれて、日頃、現場で働いているなかで感じていることやそれぞれの現場で抱えている課題に関して、自由な雰囲気のなか、意見交換が行われました。グループ内での意見交換を通して、参加者は「自分だけで抱え込むものではない」という点に気付き、グループのいろいろな人の話や意見、アドバイスに耳を傾け、話し合っていくなかで、お互いの悩みや問題点を共有することができる良い機会となったようです。

講演後の鼎談の様子
講演後の鼎談の様子

 ピア・スーパービジョンは保健・社会福祉現場や一般企業で、対人援助の仕事をしている人たちが、日頃の実践に必要な"かかわり"について見つめ直し、お互いに知り合い、情報交換を行うための研修と交流のプログラムです。今回で第18回目の開催となります。

 本学では、聖学院大学総合研究所の人間福祉スーパービジョンセンターと "SWnet"(本学の人間福祉学科の卒業生を中心とするネットワーク)による企画運営の共催で行われています。これまで毎年、年に2回のペースで開催されてきました。次回、第19回のプログラムは来年2017年2月4日(土)を予定しています。

ピア・スーパービジョン後の柏木昭先生の総括
ピア・スーパービジョン後の柏木昭先生の総括

関連情報はこちら