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学長からのメッセージ

 こどもの心癒す新学科開設

   

  東日本大震災は、これまでの災害とは質的に大きく異なる被害をもたらした。地震によって私たちの国家観や社会観が根底から揺るぎ、大津波によって絆は断ち切られ、原発事故によって希望を見い出せないでいる。


  では、この震災から私たちは何を学ぶべきだろうか?聖学院大学は小規模校ながらも早い時期から被災地支援に乗り出した。現地の痛みを理解し人々を癒す、まるで「絆創膏」のような活動を目指した。「創」は傷、「膏」には覆い包むとの意味がある。被災地に寄り添い、人々と痛みを分かち合うことで「絆」を結ぶ取り組みである。実は、このことが「大学での学び」へ本質的に通じている。


  今、大学生の学習意欲や学力、社会への適応力などの低下が指摘されている。とりわけ、産業界からの声は厳しい。中には、少数のエリートに集中的に投資し「世界一」を目指すべきとの意見もある。しかし、その発想にははっきりと異を唱えておきたい。


  大学は本来、学生が社会との絆を自覚し、その上で自分に出来ることを学ぶ場だ。挫折を知り、他人の痛みを知るほど、学生には大学で学ぶ意味や目的がはっきりと見えてくる。これが真の「学ぶ力=学力」ではないだろうか。大震災は強烈な痛みをもって、私たちにそれを気づかせてくれた。


  4月、人間福祉学部に「こども心理学科」を新設する。学ぶのは心理ケアの領域で、こどもたちに寄り添い、傷ついた心を癒す力を持ったスピリチュアルケアの専門家を育成したい。こどもたちとの絆を強めていく体験を通して、学生は自らも内面的に成長していく。スピリチュアルケアは医療・看護・介護・教育などの分野で期待されており、今後は企業の人事・総務部門や、心理学を応用したモノづくりの分野などでもニーズが高まるだろう。


  本学が面倒見の良い大学にランキングされるようになって久しい。大事なのは学生が自ら困難を乗り越えることで、大学の役割はそのアシストである。困難に打ち勝つ経験こそが「生きる力」となり、学ぶ喜びにつながる。


2012年1月6日付 埼玉新聞掲載(⇒紙面PDFはコチラ

学校法人聖学院理事長・聖学院大学学長
阿久戸光晴

■人間福祉学部こども心理学科サイト(⇒詳細はコチラ

■2012年度入試出願受付中(⇒インターネット出願はコチラ


阿久戸 光晴 学長

  
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