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ひらめきときめきサイエンスプログラム 本を解剖する 〜メディアとしての書物の世界〜
聖学院大学
当日の様子
 「本を解剖する Vol.2」は、講演や実験を通して、参加者と共に「情報」について考えるプログラムとしました。現代社会において、情報はきわめて重要な役割を果たしています。その情報について、図書館情報学課程の教員だけでなく、日本文化学科、児童学科の教員も交え、多面的に紐解いていきました。
講演では、3人の先生がそれぞれの研究分野から情報について話しました。
1.情報を伝えるメディアとは何か
 - 「情報になる」とはどのようなことか -
若松先生講義イメージ
まず、若松先生は、情報を伝える方法や伝え方の程度には様々な種類や段階があることを話しました。
テレビや新聞などのマスメディアから、日記、手紙、電話などの私的なメディアだけではなく、ことば、文字、絵、音楽から、場合によっては木切れや小石、音、炎なども情報を伝えるメディアとなることを示すとともに、情報の伝達には、伝える側と受け取る側の約束事やその体系化が必要であると説きました。
2.絵本が与えてくれる情報の特質
 - 幼児にとっての情報 -
小池先生講義イメージ
次に、小池先生は、ビデオを用い、「音」を介した感性情報が胎児期から幼児期に与える影響について話しました。
お腹にいる赤ちゃんに絵本の読み聞かせをした場合、男親と女親の声では受け取る側の印象に違いがあること、また、男女の違いだけでなく、表現する人が違っても感性情報として受けとめられる印象が違うということを、教育実習生の例をあげてわかりやすく説明しました。
3.大学で情報を学ぶとはどのようなことか
 - 工学的研究との違い -
河島先生講義イメージ
最後に、河島先生は、情報とは、「うち」(in)に作られる「かたち」(form)であり、生命体にとっての価値であると捉え、情報社会において、単なる機械情報としてではなく、意味を含んだ情報を考えることの重要性を説きました。また、編集のプロセスを経て、情報が表現されていくということを示しました。いくつか例を挙げ、同一の素材であっても、編集の方法によって受け取る側に全く違う印象を作り出せることを説明しました。
清水先生による読み聞かせタイム 験タイムでは、講演内容の理解を深めるために、参加者が情報編集の重要性を感じとれる場、また参加者自身が情報を創り出す場としました。本格的な実験に入る前に、ランチタイムを利用して、参加者には音楽を聴いてもらいました。その音楽は、情報を創り出す材料の1つとして、次の実験タイムで使うものです。様々な種類の音楽を用意して、参加者にはあらかじめそれらの音楽に親しんでもらいました。
渡辺先生による紙芝居の実演 験は、2段階に分けて行いました。はじめは、紙芝居の実演です。渡辺先生がユーモアたっぷりの紙芝居親父に扮し、「泣いた赤鬼」の紙芝居を行いました。紙芝居には、物語を読むときの声色や聴衆とのやりとり、紙をめくるタイミングなど、様々な情報編集の要素が入っています。参加者がその情報編集の重要性を感じとれるように配慮しました。次は、この紙芝居親父の宣伝です。他の人に紙芝居親父のことを効果的かつ魅力的に伝えるには、どのような材料をどう編集すればよいか、広告づくりを通して考えてもらいました。
作業工程としては、まず、参加者は実験タイムの前に聴いた音楽のうち、紙芝居親父のイメージに合うと思った音楽を選びます。そして、選んだ曲に「タイトル」をつけ、それを参考に宣伝のための「キャッチコピー」を創ります。同時に、模造紙や布、画用紙などを使って、紙芝居親父を宣伝するモノを作成します。
修了式、「未来博士号」授与式 々なジャンルの12曲を用意しましたが、参加者が選んだ曲は特定のものに集中しました。紙芝居親父の印象をもとに、参加者の多くが似た曲(例:「ウルトラセブンのテーマ」「平成狸合戦ぽんぽこのテーマ」)を連想したといえます。情報編集のパターン化が見出されました。しかし、宣伝が画一的で平板なものになったかというと、そうではありません。タイトルやキャッチコピーには、参加者の個性が活かされ、種々様々なものが出来上がりました。大きな文字を切り貼りして紙芝居親父の印象の強さを表現した人もいれば、紙芝居親父の懐かしい雰囲気を絵で表現した人もいました。
同じ題材であっても、編集や表現によって大きく内容が違ってきます。題材のどの点に着目するか、着目した点をどのような角度から見てどのように表現するか、こうしたことによって新たに創り出される情報の中身は大きく変わります。紙芝居親父の宣伝はバラエティに富んだものになり、会場は笑いと熱気に包まれました。参加者も、情報を創るうえでの材料や編集の重要性を実感できたと思います。
「今回の企画については、各高校に募集案内を送るだけでなく、ウェブサイトの充実や、新聞・ミニコミ紙への掲載も試みました。その効果からか、高校生だけでなく学校図書館司書教諭の先生方の参加もありました。「『本』を解剖するVol.2 −情報が生まれる場所・情報を生かす場所」は、全国でも類のない、図書館情報学という分野でのプログラムでした。情報の重要性が叫ばれている現在、私たちが取り組んだプログラムの意義は大きかったと思います。
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