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野口 祐子 准教授 「誰もが使いやすいものを目指して」 野口 祐子 准教授


身近にあるユニバーサルデザイン

 電車で寝ていて、はっと目が覚める。いま、どの辺りを走っているのか分からなくて、慌ててしまう。そんな経験がある人は多いはずです。しかし、最近では少なくなってきているのではないでしょうか。
 それは、ドアの上に、どこの駅にいるのかを表示してくれる電光掲示板がついた電車が増えたおかげです。実は、あの表示は聴覚障がいのある人たちに配慮して普及が進められています。しかし、あれは障害のない人にとっても便利です。
 こういったものを「ユニバーサルデザイン」と呼んでいます。


ニーズを顕在化させる

 障がいのある人や高齢な人が「不便だ」と感じるものの中には、障がいのない人や若い人の生活をも便利にするヒントが隠されているのです。温水洗浄便座はそのようにして広まったものの1つです。もともとは、医療用便座としてアメリカで作られました。それを住宅設備メーカーが輸入販売、その後オリジナル製品を開発し、「おしりだって、洗ってほしい。」というCMで衝撃的なデビューをしました。今では公共施設でも、家庭でも、標準装備として普及が進んでいます。医療用として特別な人のために開発されたものが、今では誰もが使いやすいユニバーサルデザインの代表格と言えます。


誰もが使いやすいものを

 誰にでも使いやすいということは、ケガをしている人など、「障がいはないけれど、ちょっとした工夫があれば使いやすくなるよ」という人にとっては、かなり助かるということです。また、日本の社会はおよそ5人に1人が高齢者で、世界に類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。高齢者といっても元気な人が8割以上、これまで、「高齢者用」などといった特別な商品もありましたが、今後は多くの製品がちょっとした配慮で誰もが使いやすいものになっていくでしょう。さらに言えば、3人に1人が高齢者という社会になれば、そういった製品でないと売れなくなってしまいます。誰もが使いやすいものを開発していくことが、当たり前になっていくでしょう。


先生からのコメント

 若いうちは同年代の友だちと過ごす時間が長く、年齢の違う人と接することは多くないと思います。しかし、そういったチャンスを逃さずに、様々な立場の人から丁寧に話を聞き、相手の立場に立って考えることで見えてくることがあります。その人が困っていること、不便に感じていることの中に、社会をよりよくしていくヒントが隠されているのです。それを見つけ出すためにも、いろいろな人と関わっていくことが大切です。


リンク

▼野口ゼミ・体験レポート
ゼミ合宿(2008年2月)
ゼミ合宿(2007年3月)
「都電荒川線でめぐる荒川区の在宅障害者を支える社会資源見学」(2006年5月)