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読者の声
イラスト冊子「子どもの心にそっと寄り添う」第4集を制作するにあたり、読者より「子どもの心のケアに関わった方の感想や意見が共有できればよいと思う」というコメントをいただきました。
これをきっかけに、皆様から頂いたアンケートより、冊子第3集の感想、心のケアに携わった方々のエピソードを、第4集で紹介しています。
掲載希望内容について、今回対応できなかったものもありますが、今後の冊子制作の参考にさせていただきます。こちらでは、冊子に掲載されたもの、及び掲載しきれなかったものを紹介していきます。(順不同)
(2015.3.13掲載)
⇒1集~3集の読者の声はコチラから

●岩手県盛岡市
震災当時、年長児だった娘が、小四になった今になって、なくなった街や家のこと、亡くなったお友達や父親が天国で会っているかな、などと言葉にするようになりました。また津波の夢を見て、こわがったり、(内陸避難したために)震災の被害の実態を知らないクラスメートの言動に傷ついて不安定になり、学校へ行きたがらない時期がありました。非常に不安定な年頃になったな、と思っています。信頼できる大人に出会える機会を大切にしていきたいので、そういう支援を希望しています。学校の先生は大変忙しそうです。忙しい先生をサポートする体制も必要かと思います。

●岩手県盛岡市/心輝く造形あそびプロジェクト からふる
心は目に見えないので、私たちは身体の丈夫さ、健康さばかりを目に留めてしまいがちですが、身体だけ丈夫でも心が元気でないと「生きている」といえないような気がします。「目に見えない心の姿に意識を向ける」まわりの人たちがそうしてくれるだけで、どれだけ子ども達を取り巻く状況が変わるかと思いますし、願います。

●岩手県釜石市
二人の娘は今だにあの日の映像はイヤな思いをするようです。でも今後、二人が大人になり、自分の子どもたちに語り継いで行くべきなので、受け入れられるよう、今まで自分たちが支えてもらったのだから、今度は誰かの役に立てるように育って欲しいと思っています。

●福島県郡山市/幼稚園
親の想いは複雑(四年目がさらに困難)放射能の恐ろしさは忘れたいが、忘れられないトラウマとなっている。温度差や、想いが違う人をどう接近させて深い関係を取り戻せるのか、子どもの生命を守り、子どもの未来について想いを共有していけるのか、課題が目に見えないので傷つき、丁寧に人に寄り添っていけるのか、その覚悟があるのか、聞き取りが大切だ。本当はどうすれば良いか考えるが正解が見つからない。子どもに寄り添う前に傷を負った保護者のケアも大切なのかもしれない。

●埼玉県加須市/埼玉中央学園
天災等のニュースに接しながら、毎月の「災害訓練」の必要を痛感しております。まさに災害訓練というよりも、日々の生活訓練の大切さを職員一同が身に染みて感じていますし、実感しています。「ふだんのそなえ」と私共は成長期に地域の先輩(大人)から何くれと聞かされて育ちました。それらは敢えて「地域」との共生と声高く叫ばなくても、ふだんの生活での心構えなどとして教育・家庭・地域等で語られたらよいなと思います。また、「憩い場」を子供や老人等と共に作ったらと夢想しています。

●茨城県日立市
「忘れる」ことも人間の知恵として、大切だと思いますが、「忘れないこと」も今後長い人生を送る子どもたちにとって、重要だと考えます。「忘れてはいけないこと」をきちんと残すことも教育機関の役割ではないでしょうか。

●東京都杉並区
障害者は、その程度が軽くても災害などの体験が、そうでない人以上に激しく心に刻まれてしまうようです。また、普段と違う環境や知らない人に慣れるのがとても難しいと感じます。東日本大震災でも、障害者のいる家族が、その人が落ち着かずに周囲に迷惑をかけることを心配して、避難所に行かずに自宅にとどまった例が少なからずあったと聞いています。子どもだけに限らず、特に障害のある子どもと家族への支援が充実することを望みます。

●山形県山形市
震災を機に宮城や福島から避難してきた方も多かったですが、1年ごとに減っています。戻られる方と残る方に分かれ、被災された方の中に大きな幅があるのかと思います。人の考え方も様々だなと感じているところです。
震災を経験した子どもたちに、アンケートを1年に1回とり続けて、一人一人のニーズにその地域でできるだけ対応できるとよいのではないかと思います。

●福島県喜多方市/喜多方カトリック千草幼稚園
このところ仮設住宅も寂しくなって、原発事故も風化して、被災地から避難して、本園で過ごしていたあの子たちも、もう小学生になりました。まだまだ震災や原発事故で苦しんでいる人はいっぱいいるのに、社会全体がそのような人々のことを忘れてしまったかのように、日本社会は、「これでいいのかな」と思うような道に進んでいるように思います。でも、子供たちは、口には出しませんが、あの日に亡くなった人々のことを、あの日から今も苦しみ続けている人々のことを、しっかりと覚えています。心に刻んでいます。それは子供たちにとって癒されることのない心の傷として残っているかもしれません。それを包み込んで「いつもいっしょだよ」と慈しむ心のやわらかい大人たちの働きが必要です。子供たちの心を心として歩む地域の人々が、少しずつでも増えてゆくように、今日も少しだけ心と時間を使いましょう。
もし可能ならば、「子どもの心にそっと寄り添う」に寄稿なさっている方々で、希望される方々の範囲で集まって、研究成果や体験談の交換会のようなことができれば、新たなヒントや力が生まれると思う。それがきっかけとなって新たな動きや運動が始まるかもしれないと思う。