| 最近の経済状況と中国人民元預金について | ||
| 石部公男 教授 | ||
| 最近の中国の話題はいろいろと尽きないですが、現在の日本の経済状況を考えると、自己防衛策として中国人民元預金について感想を記します。 日本の経済状況は多少明るさが見え始めたようにも感じますが、大学生をはじめ就職難は相変わらずです。企業のリストラの影響もあり、失業率は比較的高止まりのままです。少子高齢化のため、年金需給にも大変多くの問題が出ています。日本の年金はご存知の通り、賦課方式で積み立て方式ではありません。賦課方式の場合は、いわゆる年金受給者の資金は現に年金をかけている人(支払っている人)の分を当てているので年金支払能力のある現役世代が減少し、受給者が多くなれば苦しくなるのは当然です。これに加え、年金未納者も増加の傾向にあり、深刻になっています。年金とは何か。年金の意味をを社会福祉的な視点で見るならば、本来全て全額税金で補填すべきなのです。それは一部に年金の掛け金未納者が増加していることに対して、「未納者が出ても未納者は将来もらえなくなるのだから仕方がない」などと言う意見が出ているからです。年金の性格は社会福祉であるという観点からするとこのような意見はまったく矛盾しているのです。どんな理由にせよ年老いて収入が無くなった方に対し、経済的生活の方途を与えるということでなくては社会福祉の意味はありません。生活が苦しく年金を支払うことができない方は一生生活に困ることになります。年金が保険であるという考え方ならば、完全に積み立て方式にし、自己責任で保険料を支払えばよいのです。例えば、アメリカで1980年代に一般化した企業年金制度401Kのような方式にするべきなのです。これは保険の性格です。確定拠出型年金として日本版401Kプランも取りざたされていますが、保険と言うなら、早急にこのようなもの切り替えるべきなのです。切り替え時の現役負担者の2重負担についてもっと真剣に考えて対策を出すべきなのです。現在、日本の企業年金制度はあらかじめ予定利率を定め、その運用実績に関わり無く、予定利回りに基づいて年金額を受け取れるいわゆる確定給付型の制度ですから、これも経済状況によっては運用が難しくなってきます。したがって早急に日本版401Kプランのようなものを導入し、一方退職後、その運用に大失敗した方や所得がない方については、生活保護という観点から別途他の対策をとるべきなのです。 現在のように金利が低い異常な日本の金融情勢では、一般の退職者は単なる預金利息などの収入では原始が目減りし長期的経済生活についての不安は払拭できません。預貯金などによって貯めた原資や退職金を利息のみでなく、上手に運用しなければなりません。日本の株式投資や中国株への投資も大きな選択肢の一つですが、元本保証の点からもリスクは小さいとはいえません。そこで、中国人民元に着目してみるのはいかがでしょうか。人民元での中国国内での預金です。上海や新?などにある銀行に直接人民元で預金をするのです。 外国の通貨は米ドルやユーロ、オーストラリアドルなどがありますが、中国の人民元も立派な外貨です。日本円を人民元に換えておき、人民元の切り上げが行われた後に日本円に再度換えるのです。但し現在は基本的には日本円から人民元に換えられても、人民元から日本円やドルなどの他の外貨には原則戻すことができません。しかし、中国経済の状況からして、このような状況のまま長く続くことはありえないと思います。又必ずや数年のうちに人民元の切り上げが行われることでしょう。ただ一度に切り上げられるか、何段階かに分けるかという問題はあります。2005年5月には現在の人民元の変動幅が多少(上下1%程度)変更になりそうです。しかしいずれにしても中国の人民元が大きな変動が無く、このままの状態で推移するとは考えられません。アメリカや他の国からも人民元を切り上げるべきとの意見が出ています。 1つの国の通貨が他の国の通貨との比較でその価値が高いか低いかは、基本的には、ある品物を買ったときの価格で表すことができます。例えば、日本で缶コーラ一本が100円で買え、米国では1ドルで買えたとすれば、コーラを媒介として、日本の100円は1ドルに相当するということになります。実際には国により比較的高く売られているものと、安く売られているものの違いがありますので、多くの商品等の平均的価格水準である物価水準で個々の通貨の交換比率を考えることができます。このような考え方を「購買力平価(物価)による外国為替の交換レートの考え方」といいます。長期的には外国為替の交換レートはこの購買力平価によると言えるでしょう。しかし現実にはある国の通貨の外貨との交換レートは、その購買力平価のほかに、短期的には各国の金利差も大きく影響します。一般的に、金利が高い国には資金が移動します。もしアメリカが金利を引き上げるということになれば、アメリカに資金が移動し、日本円を売って米ドルを買おうとするでしょう。このようにして、米ドルが高くなる力が働きます。この他、経常収支の状態も大きな要因です。 人民元は歴史的には、中華人民共和国建国時の1950年(昭和25年)は1米ドル=1.9元で出発し、1956年は1米ドル=2.46元。1986年には1米ドル=約3.7元。1994年には1米ドル=8.7元という変化をしてきたのです。1995年に元の切り上げを行い、実質上米ドルリンクの固定相場制を取ったため、以降1ドル=8元台で安定しているのです。現実には香港ドルが米ドルとリンクしており、人民元は香港ドルに事実上連動する形を採っています。中国は?小平の改革解放路線が実を結びだしてからは、後戻りはできない状況です。1980年代に改革開放路線の経済への移行が確認されましたが、実際には1992年の?小平によるいわゆる南巡講話で「豊かになれるところから豊かになる」という思想の転換で市場経済が活発化しだしたのです。2003年には有人宇宙衛星「神舟5号」の打ち上げ成功。2008年には北京オリンピック開催、2010年の万博開催、そして2011年の辛亥革命100周年と国際的注目行事が続きます。この間の人民元切り上げの可能性はきわめて高いのです。人民元の交換レートがこのままの状態で5年も10年も行くことは世界が見過ごさないでしょう。中国も其のことは十分に知っていますし、其の対策と研究を進めきています。この数年のうちに何段階かに分かれ、実質上の切り上げが行われても不思議ではない状況です。すでに2005年5月には人民元の変動幅に多少ですが変化が出そうです。
中国は日本とはいろいろな面で法律が異なります。税制度も異なります。経済関係の法律の整備も極めて速いスピードで行われています。現在の中国では財産相続の考え方は日本とは異なりますし、相続税もありません。もし本人が急に事故等で逝去するようなことがあれば、預金の引き出しが不可能になることも考えられます。必ず預金時のパスポートを保存しておく必要があります。中国で預金をするときには、奥様や夫または子供さんなどと連盟で預金をすることができます。中国では預金者の連名が可能です。
こうすることにより、本人に不都合なことがあって、引き出せなくなっても連名者が引き出すことができます。この情報だけで早速中国へ出かけて行き預金を実行しても良いのですが、そのほか株式なども気になる方は、聖学院大学へ入学するのも良いかもしれませんね。 |
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