聖学院大学│先生インタビュー│POPカルチャーから見る現代若者文化

聖学院大学の先生にインタビューしています。

更新日 2009-04-13 |

POPカルチャーから見る現代若者文化
  ~ホンモノ志向と自己表現のエネルギー~

水樹奈々のアニソンに注目!

◆ここにジャンル別の人気ランキングがあります。大学入学の準備のために集まった若者たちへの調査結果なんですけど。

※2009年4月入学予定の学生に、入学準備教育講座2月18日にアンケート実施。アンケート対象者131名(男72、女56、不明3名)全員より回収。複数回答可とした。

好きな俳優好きな俳優好きな歌手好きな歌手
【清水】 俳優では佐藤健、ミュージシャンはEXILE、芸人は‘はんにゃ’が人気ナンバーワンですか。なるほど。個人的には、俳優なら小栗旬とか藤原竜也とか、舞台にも出られる演技力を持った人が大好きですが。芸人ではオードリーかな? 春日は顔も立ち姿も、完全にアニメのキャラクターですね。

好きな芸人好きな芸人好きなテレビ番組好きなテレビ番組
音楽であれば、僕の研究テーマは近代文学、特に「詩的な表現」なので、歌詞に関心があります。人気上位の中では、Bump of Chicken。彼らの歌詞は独特の物語世界を持っている。ミスチルの詞もレベルが高いですね。




好きなアニメ・マンガ好きなアニメ・マンガ好きなドラマ好きなドラマ最近特に注目しているのは水樹奈々。彼女の作る宇宙系アニメソングの歌詞は、比喩表現を使って不思議な「キミとボクの世界」を描いています。難解ではないけど、分かりやすいとは言えない。そこがいいんです。


枠を壊したヒップホップ

◆この結果は何を表しているのでしょう?


【清水】上位に入ったのは、「時代の多数派」なんですね。時代ごとに多数派がいて、それが繰り返される。アイドルで言えば、’70年代後半に郷ひろみが立っていた場所に、今は誰が立っているのかということです。そういう意味ではキムタクみたいな人は別格の存在といえる。

文化には、どんな時代背景のもとで成立しているのかという「文化環境」があります。「日本独自の伝統文化」と言われるものも、その多くはもともと大陸からやって来ました。継続的に存在するけれども、変幻自在に様々なものを受け入れながら変化を続ける、それが「文化の器」でしょう。

その点、ここ数年ヒップホップが与えた影響は大きいですね。従来の日本の言葉は、歌詞や交通標語にしても「七五調が伝統だ」と言われてきましたが、「ラップ調」はその枠を完全に壊してしまいました。‘定型’に対する縛りが消えたことで、自由な自己表現ができる可能性が拡がったんじゃないかなぁ。その分表現が薄くなった面もあるけど。

大学での僕の授業も、時代の中で文化を捉えて展開します。高度経済成長期が終焉する’70年代初めとバブル崩壊後の’90年代初頭、戦後の大きな2つの山場を境に何がどう変わったか。その題材が同じ野球マンガである『巨人の星』と『タッチ』だったり、井上陽水ゆずユーミン、更にはミスチル浜崎あゆみの歌詞だったりするわけですよ。