オープンキャンパスじゃなければ分からないものがある!(大学紹介)│聖学院大学

オープンキャンパスじゃなければ分からないものがある!聖学院大学の全てをご覧いただけるチャンスです。

・・・・・・聖学院大学の全てをご覧いただけるチャンスです。

※オープンキャンパスは、予約不要・入退場自由です

阿久戸学長による「大学紹介」

2009年7月20日オープンキャンパスにて講演


阿久戸光晴学長
阿久戸光晴学長による「聖学院大学オープンキャンパス・大学紹介」講演は、“絵本”を題材に毎回違った切り口で語られる、高校生や保護者の皆さんからも大好評の講演です。今回は、7月20日のオープンキャンパスで講演された内容を、ご紹介します。

(1ページ目の続き)
 ちなみに、社会科学も同じです。元日本銀行総裁の速水優先生は、日本銀行を退職なさったあと、聖学院大学の客員で全学教授になっていただきました。埼玉県の財界人の方々と、金融危機がどうして発生したのかということを探求しているうちに、速水先生は天国にお戻りになったのですが、この金融危機は、意味論を外した、ただ頭良く行動していく人達が、どうも結果として起こしてきたことが、だんだん明らかになっています。昨日もNHKでシリーズをやっていましたね、ご覧になった方がいるかも分かりませんが、ものすごい頭の良い、大学・大学院で超トップクラスの頭脳集団が、投資したお金が返らなくなるという危険率を計算して、最もリスクが少なくて、確実に儲かる方法をコンピュータをいくつも使いながら、計算して出すわけです。そして、こういう証券を買うならば、確実に儲かりますよということに、アメリカ国民、日本もですが、世界中の人々が飛びついたのです。

 皆さん、本学は私立大学連盟に属しています。日本の私立大学、慶應、早稲田、ICU、明学、青山、同志社、そういった大学と同じ連盟に入っていますが、もっと儲けようということで、金融証券の先物取引に手を出した大学が実は相当あります。私達は知恵が回らなかったのか、こういうことで金儲けをしようということに手を出しませんでしたので、被害はゼロでした。

聖学院大学チャペルにて。大勢の方に参加いただきました しかし、この頭脳集団がこういう仕組みを作る時に、おかしいぞと思わないといけないのです。物事というのは、リスクが全然ない集団が買う時に、しかし、リスクがいっぱいのところにどこかの誰かにしわ寄せが必ずいく。上手い話なんて無いのです。そして、このリスクがいっぱいのところから、ウイルスのように、放射能のように破綻が一気に拡がって、金融システムが大爆発を起こしたということなのです。実を言うと、この優れた頭脳集団の方々は今反省をこめてNGOの社会奉仕活動に打ちこんで自分の人生の新しい意味を考え直しているようです。頭の使い方を間違えてしまった。意味ということを忘れて、ただお金儲けができて、さらに人間が高度に幸せになる、こういう社会ではありえません。ちなみに、ある町に私は出張する時に、公衆トイレの様子を見て、その地域の人々の心の状態が分かります。綺麗なところだけ金ぴかに磨いて、汚物を溜めるようなところに、お金も心もかけない地域は、やはり心が荒んでいる地域だと思います。残念ながら。そうではなくて、人間には綺麗な所とは別に、排泄される所など、最も醜い所があって、そこを真心込めて愛情持って綺麗にしていく地域、そういう所には安心して住むことができますね。今回の金融危機は、綺麗ごとばかりに進んだ人間社会の中で起きたことを覚えてほしいと思います。社会科学も人間科学も人文学も福祉学も、全て意味と、それから人間というものは光の部分と、誰もが持っている、汚物を持っている、そういう所をどのように浄化するかということを考えること。これこそが、真の学問です。

 実は、今回私は皆さんにパワーポイントを使って、スクリーンに映像を映し出そうとした時に、広報部長の大森教員が「駄目です」と言われました。「どうして駄目なのですか?」と聞きましたら、「十字架が隠れてしまうから」と言われました。なるほどと思いました。十字架はもちろんキリスト教のシンボルですけれども、その事を離れて、今日皆さんにお話したいのは、私達人間存在の本当の意味、良さというものは、小さなおうちを1人の孫の孫、そのまた孫のお母さんが発見してくれたように、君達の良さを発見する人がいてこそ、自分というのは素晴らしい存在なのだということが分かるのです。つまり、皆さんを見出してくれる上からの目が、とても大事です。このチャペルの天井のノアの箱舟部分をよく見ると、外から光が入ります。私達はこのチャペルにいる時に、決して現実は閉じ込められていない。閉じられていない。上から見守ってくれる存在がある。上から私達を激励してくれる、そしてたくさんの目に見えない励ましの声があることに気付くわけです。その呼びかけを受けて応える時に、私達は隣の人に親切にしてあげよう。隣の隣、そのまた隣の社会に私達はどうやったらお互いに幸せになれるかを考え求めていこうとするのです。上からも励ましの声があり、横へ私達は行動を開始していく。まさに十字構造ですね。

 皆さん、聖学院大学は日本で唯一、蛍を再生させた池を持っている大学です。この近辺も小さいおうちがいっぱいありましたけれども、環境変化、あるいは住宅が増えたことで蛍は絶滅しました。ところが、蛍の絶滅を本当に嘆くお百姓さんや、地域の方々がいっぱいいて、上尾市と連携をとって、私達がやりましょうということになりました。実は、私が学長になった最初の仕事の1つと言ってもいいのですが、学生諸君と一緒に力を合わせて蛍の池を作り、そこで世話を開始しました。6月頃は研究室のシャッターを閉めました。蛍というのは、本当に繊細な生き物です。蛍が生きられるところは、必ずそこの人々の心は優しい心を持っているところだと言いますが、代表的な蛍のゲンジボタルをラテン語でluciola cruciata(ルキオーラ・クルシアータ)、十字架の光といいます。人々の心を癒す十字架の光が、ゲンジボタルの学名なのですね。ちなみに年に2日間お祭りを6月にしています。

 最後ですが、皆さん、聖学院大学も小さいおうちです。学生が3000人しかいない。3000人もいるんですかと言う人もありますが、3000人です。教授が約100人、職員が70人、本当に仲良くみんな暮らしています。他所の大学のことを言うわけではありませんが、ビルがいっぱい並んでいる中にある大学というのも悪くないでしょう。しかし、私達はこの春が来て、夏が来て、それから、ホタルが舞って、そして芝生や野原で学生諸君が、自分達はどこから来たのだろうか、どこへ行くのだろうか、私達はこれからどういうお仕事をして、自分の人生を幸せにしていけるだろうかということを、ゆっくり考えられる美しい場所がいっぱいある所が聖学院大学です。それでいて、東京にも比較的近く、大きな国際会議などにも関わることができるのです。

 この小さいおうち、良さを見つけてくださったならば、小さいおうちの聖学院大学こそ皆さんを待っています。そして、私達も皆さんと一緒に美しいもの、本当のもの、どうすれば金融危機は再び起きないか、どうしたら家庭内の虐待が起きないだろうか、どうしたら諸外国の人と親しく付き合うことができるか、そういったことをじっくり話し合っていきたい。本当に心から諸君達を待っています。そして、諸君達もまた、それぞれが小さいおうちかも分からないなと思っています。社会の激しい動きの中で不安になり、翻弄されていく若い人も多いかもしれない。でも、諸君達はそれぞれ、本当の自分をしっかりと捉えて生きようとしている人達でありましょう。そして、この小さいおうちが立派に良さを見つけてくれて、そして、幸せな生涯を続けていけること、こんな素晴らしいことはないのではないでしょうか。私達の居場所は、ここにありますよ。そして、一緒にぜひ探求していきましょう。社会の大きな変動という嵐の渦の中で、ノアの箱舟もまた新しい大地を目指して、航海をしていきました。聖学院大学はその舟です。ご清聴ありがとうございました。