聖学院大学の理念

第1条

 本大学は、プロテスタント・キリスト教の精神に基づき、自由と敬虔の学風によって、真理を探究し、霊的次元の成熟を柱とした全体的な人間形成に努め、人類世界の進展に寄与せんとする者の学術研究と教育の文化共同体である。

第2条

 本大学は、プロテスタント・キリスト教の伝統に即してなされる礼拝を生命的な源泉とする。礼拝においては、聖書と宗教改革者が証する福音が語られ、そこから大学共同体にとっての生命である研究と教育のための自由と責任、および伝道への活力、さらに本大学の伝統を継承し新たに創造する喜びと熱意とが与えられる。

第3条

 プロテスタント・キリスト教は、特に近代世界の成立と展開に独特な貢献を果たしてきたが、それゆえまた、現代社会において固有な責任を負っている。本大学は真剣な学術研究と生きた教育、霊的強化とを通して、このプロテスタント・キリスト教の現代文化に対する責任という世界史的課題を大学形成において遂行し、希望ある世界の形成に寄与せんとする。

第4条

 本大学は、日本におけるプロテスタント・キリスト教の伝統及びその信仰的、文化的、教育的貢献に連なるとともに、その労苦と苦心の経験に虚心に学び、その信仰、文化、教育活動の新しい進展のために努力し、日本社会に対し新たな指標を打ち立てようとする。そのため、福音的プロテスタント諸教会の協力を仰ぐとともに、とりわけ、かつての聖学院神学校が合流している東京神学大学との協力関係を密にする。また、広く内外のプロテスタント諸大学と相互協力の関係も樹立する。

第5条

 本大学は、「現代文化の諸問題とキリスト教の課題」等の問題を研究する機会を提供し、開かれた大学として、プロテスタント・キリスト教の精神をもって国際化した時代と激動する社会、および地域の問題にも積極的に取組み、創造的な活動をすることによって、そのキリスト教的、文化的特色を発揮することを期する。

第6条

 本大学は、学校法人聖学院の設立による諸学校との精神的、財政的な一体性の中にある。また教育的にそれぞれ独自の位置と課題を尊重しつつ、それらとの密接な関連、協力関係を持ち、聖学院全体の一貫教育の高等教育段階を担う。

第7条

 以上の理想のために、本大学に働く全ての教職員は、互いの人格を尊重し、各自の持ち場においてそれぞれにふさわしい責任を自発的かつ積極的に遂行するとともに、キリスト教的な愛と謙遜と熱意とをもって互いに協力し合うことが期待される。

第8条

 教授は、福音的自由と真理への畏敬の念を持って、学問的探求に鋭意努力し、その研究と教育を通して、時代の課題に積極的に応えつつ、新しい世代の知的、実践的、霊的次元での育成に努め、本大学の精神、学問、伝統の確立と継承、および新たな創造に努めることが期待される。

第9条

 学生は、知的、実践のみならず霊的次元において成熟し、かつ専門の学問の研鑽とその応用力の修得に努め、現代社会の課題に取組み、明日の社会を担い得る教養と良識とを身につけ、豊かで個性的な人格形成に努めることが期待される。

第10条

 本大学は、以上の理念に基づくことによって、いかなる種類の組織体やイデオロギーの支配も介入も許さず、また私的ならびに集団的な暴力による破壊や妨害を許さない。

附則
 この理念は、1988年4月1日から施行する。